新東名

「道フェチ」というのがあるとするならば、間違いなく自分はそれだと思う。
走り屋とかカーマニアとかではない。
ただひたすら道を走るのが好きなだけ。

何の生産性もなく、地球によくないことはわかっている。
だけど地図を見ているだけで、ムラムラ走りたくなってくるのだから、これはもう病気。

それが起承転結のはっきりした「峠」だと最高。
田舎の県道なんかもテンションが高まる。
そして、開通したばかりの高速道路や橋なんかも、もうたまらん。
新しいアスファルトの感触、道路を独占している感満載、今まで行けなかった所へササッと行けてしまう感動....ボクの前には、そんな理由で道はある。

そんな道フェチにとって4月14日の新東名高速道路開通(御殿場JCT~浜松いなさJCT間)は大事件だった。
だって設計速度120km/hの高規格道路だぜ(実際は法定最高100km/hに規制)。
それが最も運転が疲れやすい静岡県を貫いているんだぜ。

この道を利用して京都の家内の実家へ帰省するというのは、この10年来夢見ていた「Xデー」だった。

4月28日の深夜2時45分、御殿場のちょい先の駒門PA手前で分離したその「道」は、未知なる世界への進入路だった。

(新東名分岐、車に設置したビデオカメラで撮影)

高規格道路そのものは新名神高速で感動済みだったけど、ここはそれ以上に快適。
カーブはゆるやかで、トンネルの数の多さもカーブを緩和している。設計者の職人的なこだわりすら感じた。

開通直後の深夜ということもあってか、走行する車が少ないし、何よりもトラックがほとんど走っていない。
何しろ追い越し車線では時速120km以上で走行する乗用車のフェスティバル。
走行車線も法定マックスの時速100kmギリギリで誰もが走っている。
時速90kmのリミッター仕様のトラックは、とても走れるものじゃあない。

(5月6日の帰路はカミさんに運転させて、助手席で撮影しまくる)

そんな新東名だが、予想に反して通常の車線数は2車線。
ただしICの前後や特定の区間のみ3車線となるので、区間中40%ぐらいは3車線だったと思う。
とにかく車線の増減が著しいので、3車線区間でも大半の車が右の2車線を走行している。
ああ、もったいない。

(実際には3車線にもかかわらず、いわゆる「猪瀬ポール」が邪魔をする)

疲れにくいし、渋滞もない。
SAで休んだのも一回きり。あっという間に浜松いなさJCTに到着した。
新東名は東名よりも10km短縮されたわけだけど、休憩や低速走行のロスタイムを考えれば実質1時間近く短縮されたも同然だった。

(猪瀬ポールが邪魔をしなければ、こんな感じ)
連絡道を経て、三ヶ日JCTで再び東名高速に戻ると、夢から現実に引き戻された。

(トンネルの外で撮影すると、どうやっても、こうなる)

さて、この10年で京都はどんどん近くなっている。
2002年当時、東名高速の横浜町田ICから京都南ICまで行くには、東名高速から名神高速に入り「難所」として知られる関ヶ原ICを経由するしか方法がなかった。距離にして467.8km、ノンストップでの所要時間は5時間18分だった(所要時間は理論値)。

それが2004年の伊勢湾自動車道の全通、2008年の新名神高速道路の開通、そして今回の新東名高速道路の一部開通によってぐっと近くなった。現在、横浜町田ICから京都南IC間は423.6kmと44kmも短縮され、4時間42分で行けるようになった。

(iPhone用カーナビアプリ「Navico」は新東名に対応していない。道なき道を一直線)

浜松いなさJCTから豊田東JCTまでの区間が開通するのは2014年だという。さすれば東名最大の難所である三ケ日IC~岡崎IC間もスルーできることになる。
あるいは4時間20分台で京都に行ける日も夢じゃないだろう。夢は膨らむばかりだ。

おまけ:新東名の交通量が増えるにしたがって、岡崎ICを先頭に三ケ日JCT付近まで渋滞となる可能性がある。
この場合、浜松いなさICで降りて→国道257→国道151(新城バイパス)→県道21→国道1と抜けると音羽蒲郡ICの近くまで抜けれられるかもしれない。
(深夜に逆方向に走った経験で書いているので、確証はないけど....)
この前後まで来たら、うまくルートを探して東名高速の北側の側道や県道を使えば、ささっと岡崎ICまで抜けることができる。
(昨年、お盆の日中にこの手でスルーした)
恒例の「岡崎大渋滞」の際は、かなり使えるルートかも。

さらにおまけ:2012年5月12日付
84歳男性、新東名を18キロ逆走 本人に認識なし

ぶうらぶら

Posted by spiduction66