終りに見た街

ようやく録画しておいた山田太一のドラマ「終りに見た街」を家族で見た。システム・エンジニアの主人公(中井貴一)とその家族が、昭和19年の日本にタイムスリップする。戦争末期の極限的状況の中に平成の家族がどうやって生きてゆくのか?というドラマだった。

幸いなことに彼らは昭和史の資料を持っており、未来のことがわかる。だけど、実際には現実を必死に生きることしかできないのだ。食料の買出しに奔走する父、いつのまにかに洗脳されてしまい愛国心の塊になっているコドモたち、昭和20年3月10日の大空襲を予告するビラを町じゅうにポストインする家族(フツーは特高に捕まって、殺されるよなぁ)。

とってつけたような結末にはガッカリしたが、ドラマを見ながらディベートしているウチの家族の方が余程面白かった。

テーマはもちろん「もし我々が昭和19年にタイムスリップしたら、いかにして生きるか?」だ。

●とりあえず東京の九品仏と中野、京都の西京など祖父母がいるはずだから、誰かを頼ってゆく。何といっても肉親だから通じるモノがあるに違いない。とりわけ九品仏のじいさんは頭がやわらかったから、きっと事情を説明すれば、わかってもらえるだろう。
●金を稼ぐならば作曲家になるのが一番だ(ドラマの中でも柳沢慎吾がそういうシーンが出てくる)。「お山の杉の子(昭和20年のヒット曲)」の印税ならば食うに困らないから、実際の発売より前倒しで日本放送協会に売り込む。戦争が終わったら、それこそ「東京ブギウギ」、ラルク・アン・シェルからビートルズまでさまざまな曲を書きまくればよい。
●僕の家には、昭和の物価一覧表や、1日刻みの年表があるから、先物取引で充分やっているけるのでは?
●戦時中ならば頭のオカシナ予言者を装う。いずれ軍当局から「米軍の動向を予言できるモノ」としてお迎えのクルマが来るだろう。戦後には宗教法人を設立し、予言者として信者を集める。

ドラマもそこそこに、逆にこれはチャンスじゃないかと、熱狂しているバカな家族がそこにいた,,,

アナタなら、どうする?