1999年3月26日....

そう、ちょうど10年前の1999年3月っていうのは、
当時レコード店に働いていた僕にとっては、
極めつけに印象の残る月となった。

3月3日に「だんご三兄弟」が発売され、歴史的な売上を記録するシングルとなった。
長女が大好きな曲だったので仕入れ担当者として「これは化ける」と予想した。

3月10日には宇多田ヒカルの「First Love」がこれまた「異常」とも言える売れ方をみせた。アルバムとしては過去最大のセールスを記録した。両者とも強気の仕入れをやったことで、何とか品切れをしないで済んだのが僕にとっては誇りだった。

前年比150%を記録した売上で会社から頂いたボーナス、そして国からの「地域振興券」がどんなに助かったかわからない....というのも....

3月26日、明け方の午前5時すぎ、
タクシーからカミさんを抱えて京都の太秦にある産婦人科に飛び込んだ。
ここはダンナの立会い可能だったから、分娩室にビデオカメラを設置してまわし始めた。
そうしたらわずか20分でぴょーんと次女が元気欲飛び出してきた。

週休1日半しかない仕事の父なのに、
わざわざ休みの日に生まれてくれて助かった。
しかも全員が「金曜日生まれ」という珍しい家族となった。

出産のほうも一段落したので義理の母と帰宅しようとしたら、珍しいことに嵐電がストライキで動いていなかった。仕方がないからタクシーで帰宅したという思い出がある。

あれから10年、次女もついに10歳となった。
地域振興券は出産費用とお米、そして「だんご三兄弟」の情報提供のご褒美に長女に買ってあげた「NHKおかあさんといっしょベストCD(だんご三兄弟入り)」に使った。
そう、あの2つのCDの異常な売れ方には「地域振興券」がひと役買っていたと今でも確信している。

卒業した人、10才になった人、5年を迎えた教室....そして去ってゆくちっちき。
この3月はいろいろな意味で感無量だ。

こんな時代だけど、自分の信じる道を進んでゆくことによって、誰もが幸せになって欲しいと、祈ってやまない。