河口恭吾 Live at 名田庄星のフィエスタ2007

音楽に関しては自分でも強運な方だと思っている。
今回の旅行ではこんなことがあった。

8月13日は酷暑の京都市内を避けて、府下の舞鶴市へと向かった。

舞鶴は京都市内からは北西に2時間の行程。日本海に面した港町だ。軍港としての性格もあるのでどことなく横須賀に似たところがある。13年前には営業車でここまでオシゴトに行っていた位だから、いまさら観光というのも何だけど、まあいい。
舞鶴の赤レンガ倉庫
舞鶴を出たのは夕方の5時すぎだった。
行きは舞鶴若狭自動車道を使ったので、帰りは高浜から急峻な石山坂峠を越えて周山街道(国道162号)へと抜け、「下の道」を走って京都まで戻ることにした。

この途中に名田庄(なたしょう)というところがある。
現在は合併して福井県大飯郡おおい町の一部となってしまったが、かつては名田庄村という独立した自治体だった。山あいの静かな村だ。

余談だけど、この地名を有名にしたのは、フォーク・シンガーの高石ともや。1960年代の後半、反戦フォークや学生運動といった時代の流れと、自己の音楽活動との狭間で疲れ果てて高石ともやは、すべてを投げ捨ててこの村に隠遁した。そこで充電をした高石は、「なたしょう」をもじった伝説の「ナターシャー・セブン」というグループでミュージック・シーンに復帰したのだった。さらに余談。80年代になって高石は再び京都市内に戻っている。その自宅は僕のカミさんの実家の近所で、カミさんの出た幼稚園のお向かいで、カミさんの小学校時代の友人のお父さんはこの人とマラソン友達だったりする。

話戻す。そんな名田庄の「道の駅」に駐車して、コーラを飲んでいたら、一枚のポスターが目に入った。

「名田庄星のフィエスタ 2007 8/13 午後2時~」

そのポスターの作りはいわゆる村のお祭りとは一線を画していた。
14:00 オープニング
14:15 仮面ライダー電王ショー
15:00 爆笑吉本スーパーライブ
(ゲスト:ブラックマヨネーズ ハイキングウォーキング)
てな具合に続いて.,...

18:45 河口恭吾ライブ
20:30 花火大会
となっている。

売店のお姉さんに尋ねてみると、会場はこの場所から15分ほど小浜方面に向かったところだという。
時計を見ると18:30前だ。今から行けば何とか間に合いそうだ。
家族に話をして車に飛び乗ると、会場へと向かう。

会場に辿りつくと、すでにステージは始まっていた。実はここで気付いたのだが、河口恭吾の音楽は「桜」以外知らない。でもまあいい。とにかくこんな山奥の鄙びた所で、満点の星空の下でライブを見れる上、花火も楽しめるのならば、それは幸せだ。我々は幸せを拾ったのだ。
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予想以上に音響も設備もいい。観客は1000人もいただろうか。ステージ前の芝生に腰掛けて彼の歌声に耳を傾ける。河口恭吾の音楽をまじまじと聞くのはこれが初めてだったけど、とても素直な音楽というか何と言うか...気取ったトコロがない自然に染み入るような音楽だった。耳に心地よかった。ステージトークもそうなんだけど、「とてもいい人」という印象を受けた。
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最後に名田庄の小学生たちも加わっての合唱で、1時間30分のライブは終了した。
これは一期一会の音楽だ、と思った。もし舞鶴から再び高速道で戻っていたならば、もしあの時間に名田庄の「道の駅」に停車しなかったら、もしポスターに気付かなかったら、そもそも今日舞鶴に行っていなかったらなら、もし今日が雨だったならば...そんな想いで音楽を楽しだ。
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そして花火が夜空を彩った。

イベント自体は21時に終了したが、その後夜店で遊んだりして、帰途についたのは夜22時すぎだった。夜の周山街道はなかなかスリリングな道だ。京都市内に着いた時はすでに翌日になろうとしていた。★名田庄星のフィエスタに関してはコチラに詳しい
以前はスターダスト・レビューなども参加したらしい。こういう地域と音楽との結びつきは、高石さんが育て上げた部分も多分にあるに違いない。
★名田庄のあるおおい町の公式サイト。
★平安時代からの長い歴史のせいか、京都市の周辺というのは歴史的な街道が充実している。名田庄のある周山街道(国道162号)もその一つ。

ライブレポ

Posted by spiduction66