猫のおいだしかた

小学生低学年ぐらいの男の子から自宅に電話がかかってきた。
ところが電話に出た次女も長女も「知らない子」だと言う。
間違い電話だと思って聞き返してみたけど、間違いなくウチの電話番号にかけてきたという。
よくよく話を聞いてみるとこういうことだった。

その子は次女のクラスメイトの弟だった。
その子の家に野良猫が入ってきた。
追い出そうとして棒を振り回したら家具の隙間に逃げ込んでしまった。
両親は外出中。お兄ちゃんは友達の家に遊びに行っていて不在。

お兄ちゃんに連絡をとりたいけど、
お兄ちゃんが遊びにいったという友達の電話番号がわからない。
そこでお兄ちゃんのクラスの連絡網を見て、適当にかけてみた。というわけ。
クラスメイトなら電話番号を知っていると思ったのだろう。

ところがお兄ちゃんが遊びに行った友達というのが、
次女とは別のクラスのようで、さっぱり電話番号がわからない。
仕方がないので、猫の追い出し方を教える。

「猫はね。棒なんか振り回したら、絶対出てこなくなっちうよ。」
「うん」
「まず猫の隠れている部屋のお庭に出る窓をあけっぱなしにしてごらん」
「うん」
「その部屋の扉を閉めて、ほかの部屋へ逃げないようにしてね」
「うん」
「そうしたら1時間ほどほおっておいてごらん。猫はこっそり様子をうかがいながら、タイミングみはからってダーッと飛び出してゆくよ」
「うん、ありがと」

すくなくともウチではこの手で成功しているが、このデタラメなアドバイスが功を奏したかどうかは、明日にでもわかるだろう。