腐るわけがない

男っていうのは、ことカミさんの出産に関しては、甲斐甲斐しく手助けやなんやらやるけども、それまでの苦労や痛みそのものを和らげることができるはずもなく、まあ無能者っていっちゃあ無能者。

僕は彼女のために胎教や陣痛によさげな音楽セレクションとか作ったりもしたし、牛乳やお米なんかの重い買い物は仕事帰りにするようにしたし、まああれやこれやと自分で思いつく限りのことはやって、出産当日は分娩室で手を握って「ガンバレガンバレ」なんて言っていたわけだけど、カミさんがそれをあり難く思ってくれたことは事実だとしても...少なくとも迷惑とは思っていないだろう.....自分自身は何もできないロクデナシ感が強かった。必死になって、子供を世に送り出そうとしていたあの時あの瞬間、この人(カミさん)頼みみたいな状況に、自分の卑小さを感じたものだ。
これだけは自分にゃあ絶対できない神秘の世界だし、その瞬間に立ち向かってゆく壮絶さには頭が下がった。

その出産も、僕とカミさんがたまたま偶然の運命でできちゃっただけのことであり、子供を授かるってことは、神秘的で、壮絶なことである以上に、何よりも運命的なものだと考えている。

來未姉さんの発言にはドギモを抜いた。
日ごろの関西弁丸出しの堂々とした姿勢は大したものだし、その一方で「anytime」のPVにあるピュアな表情なんかとても良いと思っている。

むろん周囲に発言を配慮し過ぎる立場というのは大変辛いものがあるし、僕でも誰でも日常的に失言ということはあるだろう。彼女自身もいま深くそれに反省していると思うし、将来彼女がそれをリアリティをもって実感する瞬間が来ると思う。その時手を握っているのが中居君かどうかは知らないけどね。

誰に教えられ、誰に吹き込まれたのかは知らないが(宗教?)、神秘的で、壮絶で、運命的な生命をこの世に送り出すという行為に関して、根拠なく笑い飛ばすようなことを公衆の電波で言ったら、その瞬間からそれに対する冒涜になる危険性が充分にある。何にもまして今現実に高齢で妊娠してらっしゃる方にいたずらに不安を与えるような発言には注意が必要だ。

このことに関して関してこれ以上どうのこうの言うつもりはない。來未姉さんにはあのキャラでもっと活躍して欲しいと思っている。だけどこれだけは僕自身の経験から言っておく。

僕の姉は39才と42才という年齢で2児を生んでいるし、僕の知人には45才で出産された方もいる。40代以上の出産は年間2万人以上いると厚労省のデータにもある。

人間は基本的に新陳代謝を繰り返す生物であり、その機能について年齢によって一律に論じられるものでもない。
35歳を越えると羊水が腐るなんてことは、絶対ありえない。