インスタントラーメン

雑食

昨日の「AYA」に石君がくださったコメントのおかえしを、ここでやる。
小学校時代、僕は石君にこんなことを言ったらしい。
「俺はインスタント・ラーメンばかり食べているから、将来胃がんで死ぬだろう」。

そういえばそんなことをしゃべっていた記憶があるし、当時の僕はそんなことを言い出しかねないほど、インスタントラーメンが好きだった。

あれから30年が過ぎ、僕もオトナになった。食生活を改善し、胃がんの危険性は減った......というのは真っ赤なウソである。

今週の月曜日(仕事休みの日)のお昼はサンヨー食品の「サッポロ一番みそラーメン」だった。用事の帰りにハナマサでモヤシを買い、かといってハナマサPBの信じ難いインスタントラーメンは買わず、近くのセブンイレブンでコレを買って家で作った。
070531_Sanyo_miso.jpg
みそラーメンにもやしというスタイルは僕にとって定番だ。
「サッポロ一番みそラーメン」もまた量販店においては定番中の定番だが、残念ながらこの商品は粉末スープのためみそ特有のコクがない。実はそれほど好きではなかったりする。

では現在進行形で好きなみそラーメンは?といえば、
日清食品「日清のラーメン屋さん 札幌みそ風味 5食パック」
070531_Nisshin_Miso.jpg
もしくは東洋水産「昔ながらのみそラーメン」
070531_Toyo_Mukashi_miso.jpg
ではないかと思う。
「現在進行形」と書いたのには意味がある。
僕にとっての究極のインスタントみそラーメンは、1980年頃にリリースされた「むぎみそラーメン」なのだ。今となっては会社名もわからない。ちょっと青っぽい袋に入ったそのラーメンは、むぎみその味わいもさることながら、「麺そのものをパリパリ食べても美味しかった」。アイスクリームにおけるロマノ・ビンディのように、今もって幻の逸品だ。

「麺をバリバリ」で思い出したが、僕が大阪での独身生活の際に極めたヘンな食べ方がある。
名づけて「麺クラッシュ食法」という。鍋に入れる前の麺を適当にクラッシュし、できあがったらスプーンで食べるという方法だ。麺が短くなっているため、容易にスプーンですくえる上、スープと平等に味わうことができるというものだ。そもそもラーメンとは麺とスープの相性なのだから、同時進行で食べるこの方法は、一見邪道だが、実は本質を狙っているというのが僕の勝手な持論だ。

さて、話を「しょうゆ」に変える。
昔は全国区のラーメンだったのにもかかわらず、いつの間にやら地区限定になってしまったラーメンがある。サンヨー食品の「サッポロ一番ごま味ラーメン」だ。
070531_Sanyo_goma.jpg
公式サイトに「地区限定 中国四国以西の西日本」となっているように、現在は岡山県あたりまで行かなければ購入できないラーメンである。僕はこれが全国区だった時代(1985年ぐらいまで?)死ぬほど好きだったのだけど、いつの間にやら店頭から姿を消してしまった。もう食べられないものだと諦めていたそんなある日(1995年)、彼女(今のカミさんなわけだが)と広島に旅行に行った際、スーパーの店頭で思わず再会したのだった。その時の感動たるや、The Whoの映画「The Kids Are Alright」ラストのPete Townshendのハイジャンプシーンを始めて見た時の衝撃に匹敵した。彼女が呆れるのをよそに、店頭在庫をすべて買いこんで広島から京都の家まで持って帰ったのだった。

お次は塩だ。
以前と比べると、量販店の商品管理は完全にPOSシステムが導入されているため、「売れ筋」ばかりが並べられるようになってしまっている。イオン、ヨーカ堂、ダイエーどの店に行ってもインスタントラーメンは同じ品揃えというつまらない現象が起きている(ま、これはラーメンに限ったことではないのだが)。

メーカーもどんどん新商品を投入してはいる。しかしなかなか冒険に乗ろうとする量販店がないため、あいも変わらず「サッポロみそ」「サッポロしょうゆ」「サッポロ塩」「出前一丁」「チャルメラしょうゆ」「チキンラーメン」という王道がまかり通っている。そんな王道の中で許せてしまう唯一の商品がサンヨー食品の「サッポロ一番塩ラーメン」だ。これだけはどんな塩ラーメンを食べても勝てるものがないのだから不思議といえば不思議だ。ある意味洗脳されているともいえるかもしれない。考えてみれば実際にはもっと美味しいラーメンがあるかもしれないのに、上記商品すべてが消費者を洗脳してしまっているわけで、僕もまたその王道の一角を支持してしまっていることになるのだろう。
070531_Sanyo_Sio.jpg
この塩ラーメンには美味しい食べ方がある。中学生の時、ひょんなことから思いついてこの塩ラーメンに梅干を入れてみた。そうしたら結構イケた。それではと今度は三島食品の「ゆかり」をまぶしてみた。
070531_misima_yukari.jpg
そうしたらしそのすっぱい風味と塩味とがマッチして信じられないぐらい美味しいではないか。
これに感動した僕はその後ジャンジャン「ゆかり」をぶっかけるようになり、本来であれば白緑系の色あいだった「サッポロ塩ラーメン」は、ついに紫色のラーメンにかわりはてていったのだった。

この「ゆかり&塩ラーメン」という邪道な食べ方だが、同時多発テロ的に思いついたヤツも多く、現在でも密かな食べ方としてマニアの間ではポピュラーなものとなっている。

「塩ラーメン」ついでにもう一つ。
僕が自分でインスタントラーメンを作って食べ始めたのは7歳ぐらいの時(昭和47年)からなのだが、この当時好きだった塩ラーメンがある。それが東洋水産の「塩ラーメン」だ。
070531_toyo_Sio.jpg
もはや思い出のラーメンと化していた商品だったが、今回の調査(?)で、実は北海道限定でまだ発売されていることが判明した。懐かしい馬車のパッケージだ。これはいずれ食べてみようと思う。「洗脳」から解放されることを願いつつ。

最後に「その他」.。
その他ジャンルの金字塔はこれまた東洋水産の「カレーうどん」だ。
070531_Toyo_Curry.jpg
どうでもいいことだが、このスープをお鍋に入れる時は素早くかきまぜなければいけない。スープがダマになってしまうからだ。ついでに言うと、煮立てる前に水に溶かした小さじ程度の小麦粉を素早くかき混ぜることをオススメする。カレーうどんにトロ味が生まれて美味しいことこの上ない。

これだけ書くと「そんなものよりもっと美味しいラーメンがある」とか、「そんな食べ方はラーメンの食べ方じゃない」とか色々言われるかもしれない。だが考えてごらん。「たかがインスタントラーメン」なのだ。そこから生まれる嗜好や思想はどこまで行っても「インスタント(即席)」なのだ。

雑食