二代目炊子さんの生涯

十年間愛用してきた炊飯器の「二代目炊子さん=たきこさん」が、いよいよご臨終の時を迎えた。
内釜のフッ素コーティングが、ついに破れてしまったのだ。
すでに内ぶたが行方不明となっていた炊子さんだったが、これが内釜のコンデションを悪化させたのだろう。
最後は矢尽き、刀折れてしまい、マトモなご飯が炊けなくなってしまった。

思い出せば、初代炊子さんがテーブルからの落下事故であえなく逝去、わずか5年間の「器生」に終止符を打ったのが、今から10年前だった。

結婚直前の1995年の秋に上新電機の京都一ばん館(右京区西院)で購入された二代目炊子さんは、今まで丸型が当たり前だった炊飯器とはうってかわった楕円形の斬新なデザインで華麗に我が家にデビューした。

当時の写真が現存する。左が落下した初代、右が新品の二代目炊子さんだ。
初代と二代目炊子さん
彼女は雨の日も風の日も休まずに炊飯と保温の日々を送ってきた。
家族は一人増え、二人増え、ついに三人へとなった。
最初はせいぜい2合だったお米の量は、いつの間にか4合へと増えてしまった....

二代目と三代目
本日上大岡のヨドバシで購入した三代目炊子さんは、ステンレス製だ。「家電」というよりはメカニカルなロボットみたいだ。きっと赤子が泣いている途中でフタを空けると、緊急アラームが鳴ってレーザービームを発射してくるに違いない。