初詣譚-諏訪大社編-

(遅まきながら)あけましておめでとうございます。
本年もこの辺境ブログをよろしくお願い致します。

いきなりですが、自分は初詣に行く場所が、毎年まちまちです。
この15年間、柴又帝釈天、川崎大師、鶴岡八幡、伊勢山皇大神宮などをローテーションしてきました。

特定の信仰に依存しないという意味では日本人の宗教観を地で行っているわけですが、そろそろこのローテーションにも飽きてきたので、2020年代の初詣は足を延ばして長野県諏訪市にある諏訪大社へと初詣に行ってきたのです。ええ、思いっきり飛躍してみました。大好きな長野県の一之宮というのが理由です。

「諏訪大社すげー」と思ったのは諏訪湖を取り囲むように4つのお宮があるんですね。

(四つの諏訪大社)

天下の明治神宮だって4つはないと思うので、ひとつところで自己増殖を続けるそのパワーが凄いと思いました。
むかしむかし神主が世襲だった時代になんか色々あったのかもしれませんね。
諏訪をモデルにした「犬神家の一族」を思い出したりもします。

そうでなくともWikiの「諏訪大社」によれば、「全国に約25,000社ある諏訪神社の総本社」で「日本最古の神社の1つ」なんだそうですから、いつも長野にお世話になっている身としては行ってみようかと、そういうことです。
諏訪大社
渋滞を避け真正面の大鳥居ではなく「布橋」という建物の方から入ります。橋というよりは回廊です。
諏訪大社 布橋
橋のたもとに奉納の絵馬を飾っている建物があります。
歴史的な絵馬の数々はなかなかユニークです。



会社の祈祷も兼ねているので、社務所で玉串料をお支払いして待合所で待機します。
滅多に入れない拝殿で直接祈願して頂くわけです。

待合所ではテレビで御柱祭の様子を上映していました。

よくもまあこんな無茶をするもんだと思います。

待つこと20分、あまり元気のないアルバイトの巫女さんが、名前を読み上げるのに返事をして拝殿に案内されます。

諏訪大社は社殿の配置も、建物もユニークだと事前にネットで調べて行ったのですが、ホントそうでした。
正門に対して拝殿は正面になくて、真横にある。
拝殿はあるけどご神体が入る本殿がない。
拝殿も神主が祝詞をあげる場所だけど、我々が座る場所は左右にある「片拝殿」と言われる場所で、
これまた真横に位置している。我々は神主さんに対して90度真横からお祈りを捧げる事になる。
こうした配置は「諏訪造」と言うのだそうで、重要文化財でした。

気品のある顔立ちの神主さんが祝詞をあげて下さった後、一人一人拝殿に進み、
かなりデタラメな作法で玉串を祭壇に置いて、初詣の祈祷はおしまい。
拝殿を出ると、巫女さんからお神酒を頂きます。
これは今までなかったパターン。自分は車の運転があるから、一口つけたふりだけしました。

頂いたお札は小ぶりなものでしたが、熊手がついているのが特徴で、これは初めての事でした。
たまたまだかそうなのかわかりませんが、お札には恒例の会社名と祈願内容が書かれていなかったので、御朱印受付に行って尋ねてみると、その場でササッと書いてくれました。
随分神社によって勝手が違うものなのだと思いましたが、こうやって各地の「一之宮」を初詣してみるのも悪くはないかなと思ったのです。

そんな諏訪大社でしたが、その手前に「北斗神社」というのがありました。
ここの石段が凄かった。
北斗神社
(北斗神社)
なんと200段の石段です。

自分はこれを思い出しました。
聖帝十字陵
(「北斗の拳」の聖帝十字陵)

そうそう、帰りの車中では熊手の鈴がずっとチリンチリン鳴り続けていました。
この手の音が気になる人は諏訪は難しいかもしれません。