聖夜

○夕方、葛飾柴又の帝釈天門前にあるレトロ風駄菓子屋で、ピンボールをしていたら、小学生ぐらいの男の子二人が、のぞきこんできた。
「うまいなぁ~、おじさん」
「おっ、ありがとよ」
「あっ、5万点いった!」

ここの店では5万点ゆくと、ラムネがもらえるのだ。男の子たちは、店内の従業員に「5万点いったよ!」と叫ぶと、自分から走っていって、ラムネを貰ってきてくれた。

店の外でラムネを飲んでいると、さっきの子どもたちがやってきて、「どこから来たの?」と聞いてきた。
「横浜から来たんだよ。おじさんは昔この近くに住んでいたんだけど、ここの神様がとっても強くてねぇ。ここにお願いしたら大学も合格するし、いろんな願いをかなえてくれたんで、何年に一回かはお参りに来るようにしてるんだ」と答えた。
すると子どもは
「そうだよね。ここの神様ってすごいよね~。僕も前に『いいことがありますように』ってお願いしたら、おばあちゃんが遊園地に連れてってくれたことがあったよ」
「本当かい、それは凄いなぁ。なんてったってここで映画作ったら、日本最大のヒットになっちゃったもんね」
「うんそうだね(寅さんを知っているらしい)」。

そのうち僕の娘が店内から出てきたので、三人で駄菓子屋裏の路地でキャッチボールをはじめた。不思議な光景だった。

○柴又からの帰りに銀座の昭和通りぞいにあるナイルレストランでカレーライスを食べる。今日はめずらしく子どもも連れてきていたので、帰りがけにオーナーのナイルさんに、「僕が父に連れられてこの店に初めて来たのは昭和46年ごろでしたから、ちょうどこの子ぐらいの時だったんです」という話をしたら、
「昭和46年っていったら何年前?」
「えーと35年前ですね」
「僕は42年間ここにいるから、その頃はもういたなぁ」

やはりそうか。当時、はじめてホンモノのインド人を見たのが、この店だった。やはりあの人はナイルさんだったんだ。当時はスマートな人だったなぁ(失礼)。なにしろこちとら子どもだったのが今じゃ「おじさん」だからね。

○銀座からお台場方面に車を走らせる。築地の交差点で信号待ちをしていると、バイクに乗ったサンタクロースが僕の車の脇に止まった。
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バイクの横になにやらおもちゃの入った袋をぶら下げて、これからどこへ行くのだろう。

○晴海大橋を渡っているときに、突然家内と子どもたちが騒ぎだした。隅田川の方を向こうに巨大な雪だるまがあったのだ。
さっそく近くまで行ってみる。
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豊洲にある石川島播磨重工のビルだった。構図を計算して窓に色とりどりのセロファンを貼り、今日はお休みのはずなのに、オフィスの電灯をつけてこんな演出をしていた。
その美しさに家族4人でみとれていたのでした。

○家に帰ると、子どもたちがサンタクロースに手紙を書きはじめた。昨年サンタさんがベランダに忘れていった「コースター」も返してあげるのだそうだ。

メリー・クリスマス!!
素敵な聖夜をお送り下さい。

追記:北アメリカ航空宇宙防衛司令部(Norad)のサイトでは、今年もまたレーダー、サテライト、サンタカムやジェット戦闘機などを使って、サイタ・クロースのリアルタイムでの追跡をやっています。