車を買った話 Part2

車のことはさっぱりわからない。
車の運転は大好きだけど、それは「道フェチ」というのが正しくて、少なくとも「車フェチ」ではない。

さて2005年の8月に中古で買ったイプサム君だけど、すでに走行距離は10万km、8月の車検ではタイミングベルトの交換が必須だ。今後は維持費が結構高くつくと考えた。
そこで定額給付金も入ることだし、思い切って買い換えることにした。

こういう時に登場するのが僕の父。
昭和29年「車が運転できる」という理由で大学の自動車部に入った父は、部所有の車を皮切りとして55年間に20台の中古車を乗りつぶしてきた。新車を買ったのはたった一回だけで、74歳のいま、それを乗り回している(この人の「自動車史」は相当面白そうなので、いずれ聞き書きしてみようと思っている)。

そんな父の中古車に対する眼力は相当なものであるし、現在の流れにもしっかりついていっている。いっぽう、僕はといえば「車は走ればいい」という考えの持ち主で、そもそも興味のベクトルは音楽の方にあるので、車には無頓着た。信じられないかもしれないが、自分の乗っている車がニッサンかトヨタかわからなかったこともある位だ。

そんなわけで二人で休日の合間を狙って何軒かの中古車屋を回った。
そして先々週、某中古車店に設置してある端末を、営業担当の人と見ていたら、他支店の在庫で、相場より15万ほど激安なエスティマを見つけた。
前回のイプサム君とそうかわらない値段だった。

端末の画像でみる限り、年式は古いけど走行距離も5万キロ以下。車の色がシルバーなので洗車の手間がはぶけそうだ。「にせウルトラマン」みたいなアヤシゲな面構えがいい味を出している。
車体が大きいから京都まで行っても疲れなさそうだし、8人乗りなのが嬉しい。仕事がら沢山の人を乗せる機会が多いから、これがあると便利だ。キーボードがゆったりと積めそうなのもいい。

「この値段なら何とか買えそうだ。どう思う?」と父に尋ねると、
「うん状態も良さそうだ。多分大丈夫だろう」
実車検分は後日にして、その場で手付金を支払うことにした。

そういえば父が営業担当に向かって、
「これとアルファードでは乗り心地はかなり違うの?」と尋ねていた。
後でそう質問した理由を父に尋ねたら、
「アルファードというのは、お前の買うエスティマをベースにして、作った上位クラスの車なんだよ。どのぐらい乗り心地が違うのか、聞いてみたのさ」
この人にはかなわない、と思った。

今週が納車だった。
実際乗ってみたけど、乗り心地がいい。
前の車は坂道や加速のパワーが物足りなかったけど、これはグイグイ前へ出てゆく。
中古車屋さんいわく、
「これはウチの他店の店長がチラシ掲載のために、店長決済でつけた値段なんですが、私から見ても安いと思います」とのことだった。

激安だったから、何か秘密があるかもしれない。
走行中に分解したりして。
明日は試乗を兼ねてドライブに行ってきます。