番号のおかけ間違いにご注意ください、こちらはボーカル教室です

わが社のフリーダイヤル(正確にはフリーコール)には1カ月に1回ぐらいヘンな間違い電話がかかってくる。
かけてきた方はいきなり怒っていたりする。

「もしもし、大宰府の●●スーパーでおたくの●●を買ったもんだけどね~」

何の因果かは知らないけど、某大手食品メーカーのお客様相談室の番号と似ているのだ。

こちらも心得たものだから、
「私どもは横浜のボーカル教室です。番号をお間違えではないですか?」ということをご説明申し上げる。

そうすると「ああ、すいません」といって電話は切れる。
もちろんフリーダイヤルだから、電話料金はこちら持ちだ。
大宰府のスーパーで商品を買った方の場合、福岡からの電話料金を支払わされる。

極めて稀に「横浜のボーカル教室です」というご説明に対して食い下がる人がいる。
「そんなわけはない、オタクは逃げるのか?」と言ってくる。
きっと、この人は食品会社にクレームをしたことがないのだろう。そして食品会社というところは、商品クレームに対して逃げ回るとでも思っているのだろう。それはたぶん昭和30年以前の話だ。

こういう場合「あなたがかけている電話番号は●●●番で、●●(メーカー名)は違う番号です」と、正しい電話番号をお教えする。
このぐらい言わないと、この人は間違い電話をまたかけてくるに違いない。
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こっちが似たのか、あっちが似たのかは知らないけど、正直言って迷惑な話だ。
しかし、こうした間違い電話があるからと言って、このメーカーに電話料金を請求できるものでもない。このメーカーにも年に何回か「ボーカル教室の無料体験レッスンのお申込み」の電話がかかっているかもしれないからだ。それにフリーダイヤルの変更はお互いにコストのかかることではあるから、こちらと同様に先方も番号を変える気はないだろう。

ひとつ怖いのは、このメーカーの商品が集団食中毒事件のような事態になった場合だ。
業務に影響が出るほど電話が鳴りっぱなし、という事態にもなりかねない。
他力本願だけど、この会社の「食の安全」を祈るよりほかない。

ところで偶然にも、僕は食品会社の営業部門に勤めていたことがある。
「お客様相談室」があるので営業部門に電話がかかってくることは少なかったけど、稀に(どうやって調べたのかわからないが)、ピンポイントでクレームのお電話を頂戴することがあった。

そういう場合の対応は今でも覚えている。

まずは
・お体に影響はないか?
を伺い。お詫び申し上げた上で、相手の気持ちが落ち着いたところで、

・商品名
・クレームの内容
・購入店舗
・お客様名
・ご住所
・お電話番号

を承ってゆく。クレームの程度によっては、こちらからお詫びにお伺いする日時を定める.....

そんなわけで、このメーカーのクレーム対応の受け応えもできないことはないと思う。
だからといって、イタズラをするほど子供でもないところが残念でならない。

「番号のおかけ間違いにご注意ください、こちらはボーカル教室です」。