ほわほわの日(栞とドラ焼きと遺品とuda2)

ライブレポ

阿佐ヶ谷ですよ、阿佐ヶ谷。
自分が生まれた街で、自分の「田舎」だった街。
そういえば生まれて初めて横浜から電車に乗って遠出したのもこの街。

そんな阿佐ヶ谷のライブハウス「Oil City」で栞(しおり)さんのライブがあった。同行してくれたのはのりちゃんセンセ。
ここは僕の生まれた病院から一番近いライブハウス。
しかもちょうど生まれてから40ウン年と3日後に...うん、これは何かの縁ですよ。そうに違いない。

(河北病院:敬愛する寺山修司が亡くなった病院でもある)

「Oil City」に寄る前に数軒隣の「うさぎや」さんへ。


ここには世界で一番美味しいどら焼きがある。もちもちでほわほわっとした食感がたまらない。あんこがつぶつぶしている。子供の頃、よく祖父に連れてかれて買ってもらったどら焼きだ。これを栞さんと自分のお土産にした。

(栞のしぃさんのイラストによるフライヤー)
イベントの名前は「sanと栞の音楽館vol.6」。Vol.6ってことはもう6回も音楽イベントをやっているということ。
今はクリスマスの季節に阿佐ヶ谷でやっているようだ。

開演5分前にたどりつくとOil Cityは超満員。そしてライブは「予感」からスタート。

次の「君影草(すずらん)」は新曲?
この後はしぃさんのお気に入りの愛車「Miniクーパー」の紹介がある。いいなぁ~。
この車、ビートルズのメンバーも乗っていたし、ムッシュかまやつも乗っていた車だ。

そんな中でMiniをテーマにした「風景~けしき~」をプレイ。ここで気づいた。栞さんはBritishなモノが好きなんだ。くりっちのネクタイはユニオンジャックだし、ファンの方が持っていた団扇は....

これまたユニオンジャックだぁ。
もしやこの二人とはコアなところで話が合うかもしれない.....

このあと「ぐれーとぶりてん」なプレゼントのコーナーがあって、再びMIniへの愛とロック色全開の「Mini My Love」。
手紙」はおとなしいバラード。

そしてラストはこれまたノリノリの「sachi」。冒頭に「行くぞ~」とか言って間違えて大音響になっちゃったギターがドーン。The Whoかと思った。

この後Shinya Miyagawa、そしてSanさんのステージでは再び栞の二人が参加してのステージもあったけどとても書ききれない。Shinya Miyagawaさん凄い。sanさん
くりっちさんもしぃさんもとても心温まる方で、それが心温まる音楽になっている。ライブのほんわりとした雰囲気が、まるでうさぎやのどら焼きのようだった。

ここでタイムリミット。
Oil Cityを出ると、阿佐ヶ谷の叔父の家へ。
実は1ヶ月ほど前に叔父(先日の日吉NAPで「名無しさん」を紹介してくれて、ライブにも来てくれた人)が物置を整理していて、祖父母の遺品が出てきたというのだ。
僕はなぜか一族の遺品整理係でして「時間があったら取りにおいで」と言われていた。
行ってみてびっくりした。一人では持てないぐらいの巨大なお茶箱がひとつ、段ボール2箱、さらに本が200冊近く。これを四苦八苦しながら車に積み込んだ。
お茶箱は帰宅してから開けてビックリ。道理で重いわけだ。
祖父母の手紙やら何やらの文書の山に混ざって出てきたのが戦前と戦後のSP盤レコード(もともとSP盤はLP盤に比べてはるかに重い)
この話はまた後日。

荷物のおかげで車は定員一杯のときのように重い。
この重さが歴史の重さなんだとおもつつ、今度は横浜へ。屏風ヶ浦のuda2 cafe (ウダウダカフェ)に到着したのは午後7時前のこと。
のりちゃんに「絶対オススメだからおいで」と連れてゆく。
9月18日に初めてここで出会った素晴らしい音楽.....ソウルフルな保刈あかねちゃん.....そしてBlues的なさいとうりょうじさん、with フルートの黒川たかしさんの弾き語りライブへ。


uda2の持つ「のほほん」とした空気の中で、ギターとボーカルだけの....もはやそぎ落とすものなど何もないシンプルな、それでいて百の言葉より心を揺さぶってくる音楽の応酬が続いた。

のりちゃんセンセは涙を流していた。

誕生日を迎えた後で、決意宣言。
栞、Shinya Miyagawa、San、保刈あかね、さいとうりょうじ、黒川たかし.....そしてSP盤の山。
今日一日でこれだけの音楽に出会った。
自分の立っている場所などとてもとても狭いもので、たとえば音楽ひとつとったって、自分は何も知らないということを知ることから始めよう。
あと死ぬまでにどれだけの音楽に出会えるだろうか?と思いながら。

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