「京都太秦物語」DVD化

管理人のたわごと

昨年の9月に東京でも公開された映画「京都太秦物語」。

僕が京都時代に働いていた街「太秦大映通り商店街」を舞台にした映画なんですが、これがDVD化されました。

この映画を観に行った時のことは、昨年"「京都太秦物語」 -京都太秦の頃-“で書きました。ストーリの本筋はヒロイン役の海老瀬はなと彼氏役のUSA(EXILE)の恋物語なのですが、その一方で映画の街大映通り商店街へのオマージュでありドキュメンタリーでもあります。

(たぬき堂書店の御舘さんと角谷さんと僕。本年5月)
だから地元の方々が多数出演されています。インタビューもあります。豆腐屋さん「やなせ」さん、クリーニング屋さんの「東出」さん、定食屋のつたやのおばちゃん、中川デンキの中川さん、たぬき堂書店の御舘(みたち)さんと角谷さん、おもちゃ&タバコ屋フジイの藤居さん....まだ若かった僕がお世話になった方が沢山出演されています。

(おもちゃとタバコの「フジイ」の藤居さんと僕。本年5月)

20代後半から30代半ばまでの自分は、「京都が好きで、音楽が好きで」営業の仕事を捨てて自分自身が選んだ「CDショップの店長」という人生を全うしようと頑張っていました。週休1日半、一日12時間という勤務の中で、仕入れ、販売企画、広報、売れ筋アーチスト、売り筋アーチスト、音楽情報の収集、アルバイトの管理....などをこなしていました。間違いなく好きな仕事だったし、特に商品の定番管理化を実現させる時は寝る間も惜しんで働きました。そう、残業中にお店に立ちションした野郎がいて警察沙汰になった際は、夜中に報復されるのを恐れて、お店で寝泊まりしたこともありました。

あれから10年以上が過ぎてしまい、仕事も立場も全く変わってしまったため、いま思うとまるで当時のことは幻想のようにも思えます。きっと京都と横浜という距離もあるのでしょう。遠い世界の出来事のように思えることもあります。でも、あの時の自分と今の自分は間違いなくつながっているし、あの時苦労したことが今になってどれだけ役立っているかわかりません。

「映像と違って音というものは、その瞬間瞬間の空気を確実に切り取っている」と僕は思っています。特に昭和30年代の音楽などを聞いているとそうですが、スタジオの広さや演奏しているミュージシャンの「気」を感じることができます。

先ほど、仕事しながらこのDVDを流していました。
自分の机からは映像は見えないので、セリフと効果音だけが耳に入ってきます。
街の喧騒、通り過ぎてゆく嵐電(チンチン電車)の走行音、京都弁の会話、中途に挟まれる街の方々のインタビュー。すべてが自分の中では映像になって見えてきました。
その瞬間、その瞬間の切り取られた空気の中に、連環するかのように自分は生きていたんだなと感じました。
改めて「僕は間違いなく、この街で働いていたんだな」と思ったのです。

P.S.フジイさんへ、万引きのシーンでお店の横で植木鉢の手入れをしているのは、間違いなくなっちゃんですね。大きくなられたものです。よろしくお伝えください。

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