スープカレー大作戦
スープカレーのお店で、馬車道に「らっきょ」というのがある。
骨付きモモ肉がまるごと入っているボリューム感、皮つきのまま揚げたジャガイモ、嫌味のないあっさりとしたスープなどがお気に入りで、もう5年ぐらい通っている。
札幌にある「らっきょ」と同系列店と思われているし、実際にそう紹介されている場合もあるけど、本家のページにはこの「馬車道店」のことは紹介されていない。その関係はわからない。
さて、仕事がお休みの月曜日のことだ。
娘と港南台のハナマサに寄った時、今日の料理は「らっきょ」のスープカレーを自宅で作ろうと思い立った。
だいたい月曜日は料理も作らずにぐうたらしているお父さんなのだけど、たまに「火」がつくと何かを作ろうとする。
今回の「火」は、ハナマサでなら入手可能な「骨つきモモ肉」だった。
実はこの札幌「らっきょ」の味を再現したカレールーも販売されている。
ハウス食品から出ている「スープカリーの匠」というものだ。ただマイナーな商品のようで、取り扱っているお店が極めて少ない。
以前はハナマサの近くにある「スーパーたまや」に取扱いがあったので、2店を廻ればらっきょのスープカレーを作ることは可能だった。
だけどこの商品、「たまや」ではあまり売れなかったようだ、ある時を境にお店から消えてしまった。専門用語でいえば「定番商品から外された」か「メーカー廃止商品になった」ものだと、僕は思っていた。
ところが最近「フジスーパー」の上中里店で大量に取扱いがあることを発見した。久しぶりに「らっきょの味を自宅で再現しよう」という機運が、僕の頭の中で高まっていたのだった。
「スープカリーの匠」はひと箱で2人前しか作れない。僕は同じ手間ならば大量に作る方なので、我が家の消費量では3箱(6人前)が必要だ。ハナマサで「骨つきモモ肉」を8本と多めに購入し、ちょっと家からは外れるけどフジスーパー上中里店に向かう。
ところが予想もしなかった悲劇が発生した。お店にあった在庫はたったのひと箱だったのである。
「ある地域における”スープカリー匠”の売れ方」というのは、考察してみる価値があるだろう。
スーパーたまやでは定番から外された「スープカリー匠」だったが、フジスーパー上中里店では人気がある。この地域差は何なのだろう?
最近、この店でこの商品を見かけて狂喜乱舞....というほどの大げさなものではなかったけど、大喜びした際には在庫は10箱ぐらいはあったはずだ。まさか残りひと箱になっているとは予想だにしなかった。
一方で骨つきモモ肉はすでに8本も買ってしまっている。こういうのを「どうでもいい緊急事態」という。
駐車場に戻りつつ「他のスーパーを探してみようか」と娘にこぼす。
まずはダメモトで先ほどはスルーした「スーパーたまや」に電話をしてみた。案の定「今は取扱いしていません」というつれない返事をされてしまった。
元食品メーカーにいた人間だから、こういう時に一番有効な方法を知っている。
直接ハウス食品のお客様相談室に電話するのだ。自分が住んでいる地域を説明し、すでにお肉を買っていることも説明する。
そうしたら担当の方が「だとすればお急ぎですね。取扱い店舗をお調べして折り返しお電話します」と言ってくれた。多分彼女は量販店担当セクションへ赴いて、この商品がどのスーパーの定番になっているかを調べた上で、あるいは直接店舗に電話して、現時点の在庫の有無まで確認してくれることだろう。
ここで話がそれるが、食品メーカーにとっては、こういう問い合わせというのが手間はかかるけど嬉しいものだ。
あるスーパーに自社のAという商品を取り扱ってもらう場合、いくらメーカーの営業がスーパーの本部に頭を下げに行ってもバイヤーが「うん」と言わなければ、その商品が店頭に並ぶことはない。
ところが、スーパーはお客様には弱い。末端のお店で「Aは置いてますか?」という問い合わせがお客さんから2つもあれば、現場の食品担当者の頭の中には「A」という商品名がインプットされる。3つもあれば本部に仕入れを検討するように情報をフィードバックしてくれることだろう。逆に言えば「バイヤーに頭を下げるぐらいだったら、現場のスーパーで商品を指名するのが一番効率的」、ということになる。今回の方法はそれをメーカーと連携する形での「合わせ技」となる。
もちろん我々父子も行動を起こす。ここから一番近い地域といえば能見台だ。ここには「けいきゅう能見台店」「イトーヨーカ堂 能見台店」「西友 能見台店」がある。我々が普段行っている別の街の「ヨーカ堂」には「スープカリーの匠」はないが、能見台店ぐらいの店舗規模ならば、もしかしたら取扱いがあるかもしれない。
まずは「けいきゅう能見台店」の前に車を横付けし、娘にひとっ走りして売り場を見てきてもらう。意味もなく緊張と期待に胸をふくらませる時間であるが、その間にカミさんにLINEでメッセージを送る「ハウス食品の”スープカレーの匠”を捜索中。仕事の帰りがけにスーパーにあるか確認されたし」。
やがて娘は「なかったよ」と言って戻ってきた。それではとヨーカ堂へ車を走らせる。またもや娘が店内に飛び込んでいった。その間に僕はハウス食品からの電話を待ち続ける。
そうしたら5分ほどして「あったよ!」と娘からピントのボケた写メ入りのメッセージが入った。
突発的に発生した「緊急事態」を凌いだ瞬間だった。
そしてその直後に、ハウス食品からも電話がかかってきた。
「イトーヨーカ堂さんの能見台店に....」「ありがとうございます。いま我々もそこで見つけたところでした」とお礼する。
さらにカミさんに「スープカリーの匠、能見台にて発見!」とメッセする。
これで「スープカレー大作戦」の第一ミッション「材料を調達せよ!」は無事終了したのだった。
うーん、美味いっ!
ディスカッション
コメント一覧
ハハハ良い親子関係ですね。
音楽教室二号店はスープカレー店カノンでどうですか。
らっきょよりはやりますよ。
名犬さん
どんな教室なんですか?それは。
どうでもいいですが、スープカレー食べてからスタジオ入ったら大変モウモウとするでしょうね。
事業拡大です。素敵な
音楽を流すカレー店です。
>名犬さん
いえいえ、事業拡大には、まだまだですよ(^.^)