富山(8/12 トロッコ列車)

ぶうらぶら

ちょっと富山まで行ってきた。

トロッコ列車
8月11日の晩から徹夜行で宇奈月(うなづき)へ。トロッコ電車に揺られて黒部渓谷沿いを1時間15分の旅。今まで見たこともないような急峻な断崖と断崖の狭間を、ガタコトガタコトと電車が進んでゆく。日ざしは強いけど、オープンな車体なために、次第に体温が奪われてゆく。あまりにも寒いので、子供たちとうなづきトリオの「うなづきマーチ」を口ずさむ。
「う~う~う~うな、うな、うなな~」

欅平の奥鐘橋
終点の欅平(けやきだいら)に到着する。
ここから先、トンネルに入った電車はエレベーターを利用して200m垂直上昇し、専用トンネルなどを使って黒四ダム方面まで続いている。だが、一般の人は乗車できない
7月31日に亡くなった吉村昭の「高熱隧道」に描かれたトンネルは、この専用ルート内にある。もともと、このトンネルは仙人谷ダムと黒部第三発電所(昭和15年に完成)建設にともなう資材運搬用トンネルだった。しかしその工事は黒部の大自然の脅威に翻弄され、世紀の難工事となった。

まず、掘削作業中に高熱の岩盤地帯に遭遇した。
トンネル内温度は最高で摂氏165度まで上昇し、その高温によってダイナマイトの爆発事故も起こしている。さらに厳冬期に発生した泡雪崩の爆風が志合谷の作業員宿舎を襲った。鉄筋コンクリートの建物の3~4階部分がもぎとられ、まるごと600mも飛ばされて奥鐘山の断崖に激突、一瞬にして84名の作業員の人命が奪われている。
事件現場の志合谷はこの欅平からは2km足らずの場所だが、フラっと行楽気分で行ける場所ではないことは確かた。
ここから先、水平歩道と日電歩道という山道を歩かなければならないのだが、画像を見てもわかるとおり、素人が行ける場所ではない。
そもそも....
水平歩道
積雪によって痛めつけられた歩道の整備が終了するのは8月の終わりごろなのだ。

こんな大自然の懐にいながらも、相変わらずこういうことにばかりに思いを馳せている僕であった。

ぶうらぶら