全身麻酔
手術室に運ばれると、
「それでは麻酔します」と言って、麻酔が出るマスクを被せられます。
このとき「麻酔なんか絶対効くもんか!」と、あえて意地になってみます。絶対に意識を失うまいと、強く念じながらマスクを被るのです。シューとマスクに流れてくるガスと、それを平気な顔してやり過ごしている自分がそこにいます。
「よっしゃぁ!効かないぞ!ざまあみろ!」と得意になります。
ふと気づくと病室のベッドでした。
「お疲れ様でした。無事に手術は終わりましたよ」と看護婦に言われます。
「はて、いつ俺は気を失ったんだろう?」と自分に問いかけますが、もう後の祭です。
こんな風に全身麻酔というヤツは、キツネに騙されるのに似ています。
たとえ「騙されるものか」と意地になっていても、一瞬でアチラの世界に連れて行かれてしまうのです。気づいたら1時間でも2時間でも意識は飛んじゃっています。
翌日、麻酔科の医師が僕を訪ねてきました。
「麻酔は効きましたか?痛み等はありませんでしたか?」と尋ねられました。
「いやぁ、見事に効きました。降参です。」
そう返事するしかありませんでした。
その医師の表情が、いささか得意気に見えました。
ディスカッション
コメント一覧
麻酔科医は、外科医とはまた違う意味で職人の世界。
体重や体質を上手に見抜き、
効き具合だけでなく切れ具合までもを想定しながら
微妙なさじ加減で麻酔の量を調整します。
そして術中の全身状態を管理するのも麻酔科医の仕事。
彼ら無くして外科手術は出来ないわけで、
いわば縁の下の力持ちと言ったところですかね。
医師免許は全科共通。
どの診療科も学会認定の制度はありますが、
麻酔科医だけは別の『資格』が必要だそうです。
彼らは術後の痛みが穏やかだと
『やった!』という感覚になるようです。
おかえりなさーい。
狐につままれてきたんですね。ご無事でなによりです。
お帰りなさいませm(_ _)m無事ご帰還おめでとうございます。
時々、全身麻酔で帰って来れない人がいます!(汗)
私は、数を数えさせられ、6までは数えた記憶があります。
凄いクスリですよね…。
おかえりなさい(^^)
私も全身麻酔やったことあるんですが、本当に知らぬ間にあっちにいってますよね(笑)
不思議で怖いクスリ。
無時に退院なりよりです
私にも経験が在りますが
全身麻酔はリスクが有りますよね
ご退院おめでとうございます。もう普通の生活をしていらっしゃるのでしょうか?
さて、麻酔医で思い出しました。2年ほど前、川崎の太◎総合病院で扁桃腺摘出手術を受けたのですが、手術前に麻酔医と面接の時・・・・・
登場した麻酔医の先生はどこからどう見ても「よゐこ」の濱口なんです。くりそつ過ぎるんです。濱口が首から聴診器下げて白衣着てるんです。
もう耐えられません・・・看護士には陰で絶対濱口って呼ばれてます・・・「捕ったどー」って今にも言いそう・・・太股つねりながら必死に笑いを堪えました・・・麻酔の説明なんぞぜんぜん覚えてませんwww
ご無事のようで、なによりです。
僕も3年前に手術を受けた際に全身麻酔でしたが、左腕に挿した点滴液に、麻酔医が「じゃあ、これから麻酔薬を入れますね」と言いながら注射をしている光景の直後からまったく記憶がなくなっています。すごいけど、恐ろしいですね。
でも、病室のベッドで麻酔から覚めた後に○○に○○されていることに気づいて、それはそれで恐ろしかったですね。僕もあれは死ぬほど苦手です。
>こさくくん
ためになる話をありがとう。その話で気づいたのだけど、僕は事故の関係でペインクリニックで受診することもあるんだけど、あれってドンピシャ麻酔科医なんだそうだね。確かに星状神経節ブロックは一種の麻酔だものね。
>ぽちこさん
ただいまー。
狐さんからはお饅頭と、お酒をご馳走になりました。大変美味しうございました。
>himkoさん
ただいま帰りました。
「帰還」なんてアポロ13号みたいですが「飛んだ」からには戻ってきたいものですね。行ったきりは切ないです。
>あいむ
ただいま!
あっちの世界への連れてゆき加減は、
あまりにも強引で一方的でした。
>あつしさん
ありがとうございます。無事戻りました。
リスクはあるんですが、そういう恐怖感はぜんぜんなかったですね。あっ、そうそう手術直前に「私は酒飲まないので麻酔の効きがいいはずですよ」とお医者さんに言ったら、「それは都市伝説だ、酒と麻酔は関係ない」って笑われました。
>マサさん
ありがとうございます。明日抜糸なので、それ以降は平常に戻ることでしょう。川崎の某病院の麻酔医の話は笑わせてもらいました。その人が真剣に話をすればするほど、笑いがこみ上げてきてしまうという状況ほど残酷な状況はありませんからね。
さて、世の中には(自分に)似た人が3人はいると申します。きっとマサさんが見た麻酔医は濱口とは、そういう運命で繋がっていたのでしょう。
麻酔医に濱口が似たのか、濱口に麻酔医が似たのかという点。それと患者に麻酔の説明をする際に、患者が膝をつねっているようだったら、その説明は実は聞かれていないのだという点。この2点が気になりますね。
>魚好き君
ありがとうございます。
○○に○○されている点に関しては、今回断固として拒否した結果、見事にされずに済みました。その点に関して改めて考えてみると、○○に○○しなくても、○○できる状態まですぐ意識が戻るように計算して麻酔の量を決定したのが、実は当の麻酔医だったのかもしれません。そう考えるとあの得意気な表情の向こうには、もっと意味があったのかもしれません。