あいかわらず長野県の地名が読めない自分のための備忘録
8年ほど難読地名数ランキング日本一(推定)の京都に住んでいた。
たとえば僕の家の最寄の駅は「蚕ノ社」で職場は「帷子ノ辻」という具合だった(答は「かいこのやしろ」「かたびらのつじ」)。難読地名には京都では相当鍛えられたつもりだった。
ところがどうして長野県も凄いっ!ここは日本で最も旅行へ行っている県にもかかわらず、いまだに間違った読み方をして地元の人に笑われることは日常茶飯事だったりする。
これじゃあいかんと管理人は旅の中で通り過ぎた(あるいは気になった)長野県の難読地名を備忘録として並べてみることにした。
ちなみに長野って所は市町村の数が77ある。これは北海道に次いで全国で2番目の多さ。村の数35は全国で1位だ。
きっと悩ませる地名も多いに違いない。
●下水内郡【しもみのちぐん】⇒長野最北部の郡名。この郡には秋山郷で有名な「栄村」一村だけが属している。別に「郡」は行政上の単位ではないので、だったら「長野県栄村」という表記でもよさそうなものだけど、住所表記上は「長野県下水内郡栄村」となっている。
(JR「森宮野原駅」前にある「日本最高積雪地点」標。ここでは「長野県栄村」となっている)
●上水内郡【かみみのちぐん】⇒上とセットで覚えよう。信濃町・飯綱町・小川村付近。
「郡」という位だからひとかたまりの地域のように見えるけど、上記3自治体のうち小川村だけはポツンと離れた場所にある。多分合併の影響で分断されてしまったのだろう。
(小川村にある「旧上水電気発電資料館」の水力発電機)
●更級郡【さらしなぐん】⇒現在は存在しない郡名だけど千曲あたりではよく見かける地名。蕎麦の「更科」とは異なる表記で混乱する。もちろんどちらでも「さらしな」と読む。
●更埴JCT【こうしょくジャンクション】⇒かと言って「さらはに」とは読まないところがツボ(僕はそう覚えていた)。上信越道と長野道のジャンクション名。ちなみにここは僕にとって「長野の広さ」を痛感するジャンクション。理由はどこからここへ来たとしても長野のはじっこまではまだまだ距離があるから。
●篠ノ井【しののい】⇒鉄道に詳しい人には常識なんだろうけど、僕は永年「ささのい」だと思い込んでいた。
●信更【しんこう】⇒長野市の地域名。「しんさら」じゃない。川中島付近から安曇野へ抜ける最短ルートである国道19号沿いにある地名。このあたりを夜走ったことがあるけど、かなりの緊張を強いられた。漆黒の犀川を横目にほとんど街灯のない曲がりくねった道が延々と続く。運転をミスると簡単に犀川に飛び込みかねなかった。
●鬼無里【きなさ】⇒これまた長野市の地域名。白馬村から「酷道406号」の峠をズタボロになって越えてくると現れる心休まる里山のこと。
●埴科郡【はにしなぐん】坂城町【さかきちょう】⇒千曲市と上田市の間。上信越道のICがある。これまた「郡」と言いながら今は「坂城町」一町が存在するのみ。
●東御市【とうみし】⇒「とうぎょ」だと思っていた。ブランド力のある小諸市と上田市に挟まれてなんだか肩身が狭そうに。長野新幹線もこの市だけは(ほぼ)トンネルでスルーという気の毒さ。こういう所でも掘り出せば魅力ある場所があるわけで、そういう発見ができるのが長野県の面白いところだ。
●小谷村【おたりむら】⇒滋賀県に「おだにむら」があるだけに、長年そう思い込んでいた。
先日、栂池高原を歩いてようやく自分の勘違いに気付いた。
(小谷村の栂池高原)
●麻績村【おみむら】⇒長野道を走行中「麻績IC 3km」という看板が出てきた。家内と「何て読むんだろうね?」という話になり、「あさか?」「あさづみ?」などと適当に言い合っていたら「OMI」とローマ字表記されていて「はぁ~?」。
●白馬村【はくばむら】白馬岳【しろうまだけ】⇒なんでそうなったのかは知らないけど、僕は永年「はくばだけ」だと思い込んでいた。これって山登りをする人とスキーをする人の視点の違いかもしれない。
(白馬村の春)
●茅野市【ちのし】⇒長年にわたって「かやのし」だと思い込んでいた。
(茅野市の棚畑遺跡から発見された「縄文のヴィーナス」)
●喬木村【たかぎむら】泰阜村【やすおかむら】売木村【うるぎむら】根羽村【ねばむら】⇒以上はまだ未踏の地。喬木村はアナログフィッシュの出身地。
●阿南町【あなんちょう】⇒これがなんで凄いかと言うと、長野県の地方自治体で「町」がつく地名はすべて「まち」と読む。軽井沢町(かるいざわまち)、小海町(こうみまち)、御代田町(みよたまち)、小布施町(おぶせまち)という具合。唯一の例外がこの「あなんちょう」。
….とまあこんな感じで、かなりの勘違いと思い込みで長野に架空の市町村郡を創り上げていたわけだ。
昔、麻生太郎さんが「未曾有」を「みぞゆう」と読んで叩かれていたけど、僕自身は「麻生さんのこと笑えないよなぁ~」と思っていた。思い込みっていうのは恐ろしいもので、一度そう読んでしまうとそれが癖のようになってしまい、咄嗟の時に正しく読めなくなってしまうものだからだ。きっと我々は漢字というものを「読む」のではなくて「見て」いるのだと思う。だって漢字って元々象形文字でしょう?視覚的なイメージがそうだと思い込むと、中々抜けにくい。
一度この絵が「老婆」に見えてしまうと、なかなか「振り向いている女性」には見えないはず。きっとそれと一緒なんだよな。うん、そうだそうに違いない。
ディスカッション
コメント一覧
一昨日に茅野駅に行き、ダイヤ菊を買いましたが、私も職場に茅野(かやの)という職員がいたことを思い出しました。
この人は、茅野市出身だったのでしょうかね。
>さすらい日乗さま
茅野へ行かれたんですね。ダイヤ菊って何かなぁと思ったら、日本酒ですか。
昨年、茅野に行ったのでチェックしておけば良かったです。
私も長年「かやの」だとばかり思っていました。
長野県の地名の読みは、想像の斜め上を行くものばかりです。
東御にも上信越道のインターあるよ
匿名さん
ご指摘ありがとうございます。
1996年からあったんですね。文中から「インターなし」の部分を削除しました。