手術
ようやく退院した....というか逃亡した。
一日たった1時間の点滴のために、ずっと刺されっぱなしだった点滴の針が、昨日ようやく外れた。これ幸いとばかりにお医者さんに退院を直談判した。結局残り2日は通院することにして脱出に成功した。
まだ抜糸も済んでいないし、目はウサギのように充血し、目のまわりは真っ青に腫れている、そのうえ娘が軽いインフルエンザに罹患してしまったため、本格的な出勤はまだ様子見だが、なるべく早く復帰するつもりでいる。
さて手術は2月23日の16時から行われた。
まず「リラックスさせるために注射をします」といわれて肩に注射を打たれた。ところがこの注射が信じられないほど痛い。激痛が肩から指先へと一気に駆け抜けてゆく。ケンシロウに秘孔をつかれたらこんな状態になるのだろう。こんなモノだったら”リラックス”なんてきやすめの言葉も愛もいらない、と思った
(以前脊髄に注射されたことがあったが、あんなもんじゃなかった)。
その後ベッドごと手術室へ移動する。ドラマだと一番かっこいいシーンだ。頭の中を流れるBGMは「Mission Impossible」だ。
手術というものを体験したことがある人ならわかるだろうけど、あの部屋は信じられない位寒い。あの寒さに入った瞬間に緊張感が高まる。
「まず、右腕から点滴で麻酔を入れます、それからマスクで吸入麻酔を行います」
と言われて右腕から麻酔が注入されてゆく...しびれが右腕の方から広がってゆく。
記憶はそこまでだ。普段酒を飲まないからよっぽど麻酔が効きやすい人間なのだろう。気が付いた時は、帰りの移動中のベッドの上だった。それから再び寝たのだろう。目覚めた時は夜だった。
まず気になったのは〇〇にさしこまれたチューブ(男だったらわかるよね)。僕はこれが死ぬほど大嫌いだ。生理現象を容易に処理する為のチューブだが、そもそも生理的に受け入れられない。さっそく看護婦さんを呼ぶ。この時の会話はいまだに覚えている。
僕「コレが死ぬほど嫌だ。頼むから外して下さい」
看護婦さん「まだ無理です。夜中に粗相しますよ」
僕「大丈夫、もう意識はハッキリしてますから。ホラネ」と言って、
両方の手を広げて「いち、に、さん、にの、しの、ご」と指折り数えをやる。
(ボケ防止に利くといわれる指の運動)
コレが功をそうしたのかどうかはわからないけど、結局外してくれた。
あとで家内に聞いたら、手術直後の移動中にも「外してくれ、外してくれ」と言っていたそうだ。
チューブを外したら、安心したのかいつの間にやらウトウトしてしまった。
そして深夜に目を覚ました僕は、TVをつけて女子フィギアを見はじめる。
「見なきゃ」という意識だけは、しっかり術前から引きずっていたのだ。
ところがどっこい、気がついたらまた寝てしまっていた。
だから荒川が金メダルを獲得した瞬間を僕は見ていない。
だけど、僕はこんな金メダルをお医者さんから頂いた。
僕の眼底の骨折「”眼窩下壁骨折”というらしい」を固定していたのは、実はこんな物体だったのだ。
「俺の頭蓋骨にはネジ穴があいているんだぜ」
これが今日から僕の殺し文句だ。
Emiさんへ
予告どおり本当に「逃亡ずみ」ですみません。
スミコにくれぐれもよろしくとお伝えください。
ディスカッション
コメント一覧
お疲れ様でしたm(_ _)m
この日記を読ませていただき、私自身も病室で家にいる彼の手術室からの
帰還を待っていたことを思い出しました・・。
頂いた金メダル・・・家にいる彼も大切に保管しています。
大切らしいですよね~・・。(^_^;)
何はともあれ、良かったよかったです(*^_^*)
ども、お疲れさまでした!
ねじ穴があいてるのはすごいですね!
向かう途中で電話をかけた時、あっさり繋がったので逃亡中の可能性を考えました。例のバッティングセンターを発見しましたが、ずいぶん古びた所でおどろきです。
以前お見舞いに訪れた時はまったく気付きませんでした。
事故直後のspiduction66さんとの電話での会話はうつろうつろして何度も同じ事言ってたりしてたので今回もちょっぴり不安でしたが、しっかり会話できたのでとりあえず一安心です。
オペ&入院お疲れ様でしたー!!
そして、ケンシロウには大ウケしましたw
私も入院、オペ歴が何度もあって
半年も寝たきり味わえば、もう十分!
二度と病院に行くものか!と、ボルトが入った体で現在も逃亡中。あは。
肩の注射の痛さわかります。
その前にやるアレルギー検査の注射も痛い・・・
ただでさえ術後は痛いのだから、術前くらいは楽にして欲しいものですな。
全身麻酔、あの呼吸麻酔はこの世で最高に気持ちいいドラッグかと思えます。。
ちなみに、私が術後発した言葉『Fu○k!モルヒネうって!!』
↑
だって麻酔が途中で切れたから・・。てへっ
いやはや、ほんとにお疲れ様でした!
よく頑張ったで賞!!
早速ネタを書くパワフルさが凄いです
お疲れ様です
おつかれさまでした!
落ち着いたらまたスノボーに行きましょう!
ってこんなこと書いたら奥様に怒られるでしょうか?(笑)
逃亡、御疲れ様です(笑)
そんなネジが埋まっていたんですね。
殺し文句・・・最高です(笑)
大変な手術、おつかれさまでした!
大変なことなのに、spiduction66さんの文章を読んでてどうしても笑顔になってしまいました。不謹慎でごめんなさい!
("リラックスさせるための注射”のくだり、面白すぎるんですもの)
ああ、でも本当におつかれさまでした。適度におやすみしながらまたばりばりとご活躍くださいませ
>いちこさん
手術の待ち時間って僕も経験ありますが、心配でもあり、手持ち無沙汰でもあり、かといって何もできない不思議な時間でしたね。また、いちこさん自身も仕事しながらで、帰宅後に退院した彼のお世話は大変だったと思います。とてもそれがよくわかります。
それと男っていうのは、何でも記念にとっておくもので、とりわけ10ヶ月のあいだ僕の眼底の骨の”ひび”を支えてくれたこの金メダルは一生の宝なんですよね。
>horiiくん
今日お医者さんに尋ねたら「新陳代謝や頭蓋骨の成長もないので、一生そのネジ穴は空いたままでしょう」と言われた。僕が飛行機事故かなんかで死んで骨だけになっても、これが証拠になるってわけさ。
>haruさん
いやぁ済まなかったね。失礼失礼。
予告どおり本当に逃亡してしまったよ。去年の事故の時期のことは断片的にしか覚えていない(事故後2ヶ月間ぐらいの事はかなりヤバい)ので、何を言っていたのかこちらが聞きたいぐらい。きっと面白いことを繰り返していたのでしょうな。
>Fumiさん
肩に注射されたときに発した言葉はマジて
「あたたたたたた」だったよ。
まあ、それはそれとしてFumi姐は明らかにのんべえでしょ。麻酔が気持ちいいと感じる時間があったり、麻酔が切れるのが早かったりって....僕の場合絶対ありえない。
>ゆっちぃ
今日UPする記事はもっとパワフルだよ。入院ネタだけでも書くことが山ほどあるのさ。
>Junさん
今日は一箇所の抜糸、明後日もう一箇所の抜糸ができる見込みです。以降は仕事復帰するつもりなので、いつでも誘って下さい。今回も子供も是非同行させて頂きたく。そすりゃあカミさんも同意するでしょう。
>59喉さん
何を殺すための文句が検討中。
でも歌にはなるかもしれないね。
♪ずーがいこつにネジ穴8つ
(Eight holes in my head!)
穴からお脳が漏れちゃうよ
(Eight holes in my head!)
だれか止めてよ ふさいでよ
(くりかえし)♪
失礼しました。
>シールさん
事故直後の文章と読み比べると、圧倒的に笑い飛ばせる入院でした。それだけ10ヶ月で復活したってことですね。
遅ればせながら、お疲れ様でした。
小生には入院経験も手術経験も無いのですが、大変でしたね。。。
世の中交渉次第だとつくづく思いましたが、小生、営業をやっていながら交渉というのがきわめて苦手、というか面倒。
面倒なことをするくらいなら、多少の苦痛は我慢してしまえ、となってしまい、結果、いつも損してます。
mixiの紹介文コメント、これも遅ればせながら、ありがとうございました!
>M浦君
どうもどうも、丁度いいや。今後の賠償交渉の戦略について相談したいんだけど、いいかな?(笑)
うーん交渉ねぇ。僕も交渉ごとは苦手なんで逆に歴戦の勇者である貴方に教わりたいぐらいだよ。ただ関西弁の交渉って、要求されても「アカン!」で済む場合が多かったことは事実。
「アカン」にも回数があって、1回ならば「それは絶対ダメ」という毅然とした態度。「アカン、アカン、アカン」という具合に数回連続で言う場合には「それが無理なことは、貴方でもわかるでしょ。無茶言わんといて下さい(笑)」。という態度でした。
損害調査部門の経験がないので、残念ながら示談交渉は詳しくないんです・・・。
示談交渉でもめるのは「過失割合」と「通院日数の認定」が多いのではないかと思います。
あんまり役に立てないとは思いますが、もし困ったらメールください。
関西弁の交渉って、面白いですね~。
京都の「まあ上がって、ぶぶ漬けでも」伝説のように口で言っていることの裏を読まなければならないですからね。
関西で仕事をするのは自分にはしんどそうだなぁ~。
だけど「ぶぶ漬けでも」なんて言う人って本当にいるんですかね???
>M浦君
関西の営業は難しい難しいとよく言われる。だけど、僕の経験から言えばハッキリと要求してくるので、関東のように遠まわしに言ってくるような要求は少ない。向こうが叩き台を出してくるわけだ。だからキツい反面、やりやすさもあるよ。
それと関西人は二人揃えばボケとツッコミが成立するんだ。相手がボケたら、ツッコむことを忘れないようにしよう。
「ぶぶ漬け」というのは伝説のようになっているけど、実際そういう体験をした人の話を聞いたことはないなぁ~。だけど祇園祭を行っているような中京区の一角には古くからの商家が多いので、ここにはそういう伝統があるかもしれないね。そう、一度建仁寺の境内で生花の会かなんかがあって、それに出くわしたことがあるんだけど、そこにいかにも商家のボンボンみたいなキショい奴がいて、そいつが参会者の女の子を口説いていた。その言葉は同じ京都人とは思えない位、ねっとりした変な言葉だった。
「何々どすえ~」なんて言葉も京都人はみんな話すようなイメージがあるけど、祇園でしか使われない言葉だね。そんな風に極めて限られた地域や、極めて限られた社会が入り組んでいるのが京都なのかもしれない。社会単位地域単位のルールやしきたりが複雑に入り組んでいるから、外部から見ると閉鎖的保守的に見えるのかもね。
でも、実は京都人ぐらい革新的な人種は他県にもそうはいないのだから、本当にわかりづらいよね。
賠償交渉の件、メールします。