吉野ユウヤ『pf Garden Vol.8』 at 神楽坂Thegree

ライブレポ

神楽坂といへば....
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江戸情緒溢れる芸者の街か、XやGLAYも育て上げたexplosionという真逆のイメージがあるんですが、今日はそのどちらでもなく、吉野ユウヤのピアノコンサート「pf Garden Vol.8」へと行ってきたわけです。

場所は神楽坂の坂の途中の路地を入ったライブホール『Thegree(ザグリー)』(皆さん間違えるけどザ・グリーじゃないよザグリーだよ)。
ヨッシーのサロンコンサート『pf Garden』も今回で8回目なわけだけど、ほとんど「東京グランドピアノのある洒落たお店(ホール)」巡り状態。
よくもまあこれだけうまいこと演奏会場を見つけてくるな、と思っているし、あるいは「新しい場所で新しいコトを」的な彼の意思表示なのかもしれません。

あるいはそれはプレイしやすいグラピを見つける旅かもしれなくて、今回の楽器は....
スタインウェイ
スタインウェイでした。そう「家が一軒二軒買える」というピアノです。

さて、今年の吉野ユウヤといえばレコーディングに時間を費やした一年でして、
相次いで3枚のミニアルバムを制作しています。
吉野ユウヤ Red Cloud
(Red Cloud 2015.4.1)
吉野ユウヤ SHIN-KA
(SHIN-KA 2015.7.29)
吉野ユウヤ Deep Dive
(Deep Dive 2015.11.11)

3枚購入すると、もれなくヨッシーのプロマイドをプレゼントということはないのですが、実際にズラリと並べてみると何か楽しいです。
それまでもコンサートやライブで演奏していた曲もかなり含まれており、今までの音楽活動の集大成的な所があるわけですが、それは結局次のステップへの「道標」なのかもしれません。
吉野ユウヤ
まあ、そんなことを踏まえつつステージがスタートが始まったわけです。

ピアノって、弾く人によって音色がまちまちなんですが、彼の音の良いところは一音一音の音の粒が大きいんですよね。
上手い「たとえ」になっているかどうかわかりませんが、一音一音が「チョコベビー」な人もいれば「チョコボール」ぐらいの大きさの人もいるし、さらに「アーモンドチョコ」大の人もいる。流石にそれ以上粒が大きな人は見たことがありませんが、ヨッシーのピアノはこの「アーモンドチョコ」なんですよ。
でもチョコが溶けて粒と粒がひっついているんじゃなくて冷蔵庫から取り出したばかりのアーモンドチョコ。一粒一粒が綺麗に鳴る。しかも美味しい(笑)
吉野ユウヤ
あとは情景を生み出す語りの上手さ。Red CloudとかDeep DiveやRiverはもちろんのこと、SHIN-KAのような概念的なタイトルの曲でも、情景がしっかり浮かんでくるんです。これなんかBGMにしてアニメーション作らせたら相当面白いものが生まれるんじゃないかと思います。
吉野ユウヤ
そしてある種のノスタルジアが含まれた作品もうまくできています。たとえば最新の「円舞 -ENBU-」。
CDで一聴した時には古いフランス映画「舞踏会の手帖(1937)」の情景が浮かんだわけですが、あながちそれは想像とはズレておらず、ヨッシーのMCによればこれは「一度スターダムを体験した舞踏家が、引退した後に自分の人生を振り返る」。そういうコンセプトで作られた曲なんだそうです。

ヨッシーの語りの上手さというのは、ジャンルに拘らない様々な音楽を咀嚼してきたらからだと思いますし、音の粒が大きく綺麗に揃っていることは、なんだか彼の長身やバレーボール部のキャプテンだったことを思い起こしました。

今日のセトリはこんな感じ(便宜的に収録アルバムも記載)
—-前半—–
1.Cruising [SHIN-KA M1]
2.River [SHIN-KA M4]
3.更紗 -sarasa- [SHIN-KA M5]
4.SHIN-KA [SHIN-KA M4]
5.遠い記憶 [遠い記憶 -Toui Kioku-]
6.円舞 -ENBU- [Deep Dive M3]
7.陽だまり-Hidamari- [Deep Dive M5]
—-後半—-
8.Prologue [Red Cloud M1]
9.Amore [Red Cloud M4]
10.Home Town [Red Cloud M5]
11.Red Cloud [Red Cloud M2]
12.Heart Warmer [Red Cloud M3]
13.Deep Dive [Deep Dive M2]
14 As I am [Deep Dive M4]
—アンコール—
15.ラピスラズリ [新曲]
16.未来を -Mirai Ou- [Deep Dive M1]

14曲目が終わった時点で「おや『未来を』がまだだぞ、そうれアンコール!」
とやった僕は、かなり彼の音楽に詳しくなっていることは間違いないでしょう。

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