京都からピエリ守山へ二往復事件

2年ぶりの京都帰省だった。
かるた部にいる娘の希望で近江神宮へ行き、おまけに大津事件の現場へ行き、湖西方面をドライブ....そうこうしているうちに夕食の時間となった。
浮見堂
(堅田の浮見堂)

「何食べたい?」と僕が尋ねると、
「そうねぇ~、お肉が食べたいな。大津牛なんかどうだろう?」と妻が言う。
「いやいや、大津牛なんて目玉が飛び出るって....他にないかな。スマホで探してみてよ」

数分後...妻が言った。

「えーと、一軒美味しそうなお店を見つけたよ。なんだこれ、ショッピングモールにあるみたい...ピエリ....」
「守山か!」
「そう守山。何で知ってるの?」
琵琶湖対岸からみたピエリ守山
(琵琶湖対岸からみたピエリ守山)

ピエリ守山」なら知っている。一昨年あたりまで「明るい廃墟」として話題になったショッピングモールだ。

2008年9月「滋賀県最大級」という鳴物入りで登場したピエリ守山....
ところがどっこい、オープンを前後してリーマンショックは発生するわ「イオンモール草津」ほか競合ショッピングモールが出現するわで売上は低迷する。
テナントは次々と閉店&撤退しオープン当初200店舗あったモールが最後は3店舗...という状況にまで追い込まれていた。これが話題となり全国からレポーターが集結し「明るい廃墟」とまで呼ばれるようになっていたのだ。

そのピエリ守山が新たに有力テナントを従えて完全リニューアルオープンしたのは昨年12月のことだった。
もう廃墟とは言わせない」を合言葉に不死鳥のようによみがえったという所までは聞いている。

ここまで前知識もあることだし「ピエリ守山」へ行ってみることにした。堅田から琵琶湖大橋(通行料200円)を渡って.....

ピエリ守山H&M
(H&M前で。他にもGAP、ZARAなんかがある)
ピエリ守山のアレ
(世界最古のブリキロボット「Liliput」の超巨大モデル。「Liliput」はミューポくんのモデルになった)

お客さんどっさりのピエリには驚いたけど、モールの内容についてはここでは省略する。たまたま帰り際に娘とこういう話になった。
「お父さん、ここのことをブログのネタにするの?」
「いいや、お父さんはしないなぁ」。少なくともこの時はそう考えていたのだが…..

我々は再び琵琶湖大橋(通行料200円)を渡り、西大津バイパスで山科を経由して京都に戻った。
車中、京都の有名な銭湯「船岡温泉」へ入ろうということになった。ちょうどここへ到着したのが22時ちょうどぐらいだった。ピエリからだと1時間ちょっと。

駐車場で車を降りて気づいた。

「さ、財布がない…..」

忘れたのはピエリに間違いない。

はてさてどこに忘れたか…..あわててピエリに電話するけど誰も出ない。留守電にもならない。これには焦る。
そうしたら妻が案内図をみながら「フードコートは22時までやっているみたいよ。さっき食べたお店に電話してみたら」と言ったので、かけてみたら店員さんが出てくれた。

事情を説明し、警備員につないてもらうようにお願いする。
警備員が電話に出る間に記憶を掘り起こして思い出した。

財布はトイレの中だ!
お店を出る直前に1階ゲームコーナー前のトイレに入った際、無造作に目の前の棚に財布を置いたのだった。

警備員の方が電話口に出た所で、そのことを説明して捜索を依頼。返事を待つのももどかしく再びピエリへと車を向けることにした。

先ほど通ってきた道は煩わしい。この時間に一番ベストな「ピエリ守山への道」は「途中越(R367)」だ。三千院で有名な大原を通って比叡山地の北側を回り込むこのルートは歴史的には「鯖街道」とも呼ばれている。20年前に営業で何度も通ったことがあるのだけど、おそらくこの時間ならぶっ飛ばせるだろうほとんど車は走っていないだろう。

北山通りで鴨川を越えたあたりでさっそく警備員さんから電話がかかってきた(後で思えばトイレは警備員室と最も至近距離にあった)。
「よかったですね。財布は間違いなくトイレにありました!」
思わず車内に歓声が沸き起こる。テンションが高めを維持しつつ鯖街道へ。

23時過ぎ、再び琵琶湖大橋(通行料200円)を渡ったバカ管理人の運転する車は、ピエリ守山の納品口に滑り込んだ。
警備員の方が「こちらで間違いないですね」と財布を持ってきてくれた。
「発見した時は、我々も思わず”やった!”喜びあってしまいました」とプロフェッショナルな笑顔でそう言ってくれた。
思わず警備員さんが神様に見えた。

何度もお礼を言いながらピエリを後にした我々は、再び琵琶湖大橋(通行料200円)を渡って同じR367ルートで京都へと戻った。
とび太君
(大原三千院付近で撮影した「とび太くん」。滋賀県発祥で今や全国区の隠れキャラだ)

琵琶湖大橋二往復で800円も使ってしまったけど「ピエリ守山」には借りができてしまった。
こうなったら応援するしかない。

今度はお昼に行ってテラスから琵琶湖を眺めながら食事したいというのもあるし、30万のミューポくんみたいなやつをいつか購入する日がきたらいいな,というのもある。

この電気風呂のお湯加減のようなピリリとユルい天気予報をもっと見てみたいし....

公式キャラアユちゃんの毒舌自虐tweetも見てみたい。

そして何よりも、あの警備員さんがこれからも笑顔で働けますようにというのがある。