Winter Live 2021のこと

僕はこの辺境ブログの管理人でもあるけど、横浜の片隅で17年以上ボーカル教室の経営をしている。

いつも「教室とは何か、音楽とは何か」という事を考えている。
「生徒の居場所であること」「生徒固有の"音楽"の居場所であること」。
この二つは基本中の基本。そしてその答えは何百通りもある事を知っている。

11/28のスクールライブ"Winter Live 2021″は無事終えることができた。
「無事」という意味はイベントそのものが事故もなく円滑に終わったという意味もあるし、もちろん感染対策という意味でもある。

ライブのリーフレット。作者は漫画家のコノシマルカさん。もう5年ほどのお付き合い。

イベントが終われば自分には映像編集という大役が残っている。今回は新たな編集ソフトを使ったのだけど、編集完了してディスクを20枚ぐらい焼いた所で、編集ミスを発見し….それは使い慣れないソフトの盲点、その便利さゆえの盲点だったのだけど…レンダリングという単純作業をしつつ、長い時間を持て余しつつ、このブログを書いている。

バンド形式でのライブイベントは実に1年ぶりとなってしまった。
スクールではプロのミュージシャンバンドによる生演奏をバックに歌うのだけど(弾き語りもあり)、例年だとこうしたバンド形式のイベントを年2回、そして別にアコースティック形式(プロによるピアノ & ギター)のライブを1回、あとは400名の大ホールを貸し切って25人ぐらいでカラオケをする「ムダカラ(ムダに豪華なカラオケ)」なんていうのもやっている。それが新型コロナウイルスの騒ぎで、実施困難になってしまった。

そんな中、合同企画の新しい試みとして「オープンマイク」形式のフリーセッションを2回行い、半年ずらして「ムダカラ」もやったのだから何とか唄う機会は作ってきた。それだけ生徒の「歌いたい!」という気持ちをひしひしと感じつつ、感染拡大にひやひやしながらの1年だった。

じゃあ自分自身はどうだったかと言えば、Mack & Boogiesの助っ人鍵盤弾きとして、アルバム「Never Out Of Date」のレコーディングに参加させて頂いた。
ただ自分自身は基本的に裏方に徹した1年だったと思う。

Mack & Boogies “Never Out of Date"

そんな中で「Winter Live 2021」を開催したわけだ。
自分で言うのも何だが、過去17年間通算49回行ってきたスクールライブの中でも、最高のイベントとなった。
参加者が全員、最高のステージを見せてくれた。
今回ぐらい市井のフツーの方々に音楽の女神(ミューズ)が微笑んだ瞬間を何度も見ることができたのは珍しい。そう思った。
理屈じゃなくて、出演者やミュージシャンの方々の間で起きた「偶然の化学反応」としか言いようがなかった。
歌に対する「想い」、ようやく歌えるという「喜び」が歌に出た。ミュージシャンも巻き込んだ情熱の渦がどんどん相乗効果を高めて行った。

「歌を教える」という事の本質は「ミューズが微笑みやすいよう、お手伝いをする」という事なんだなと、改めて思った次第です。