The Beatlesのオリジナルアルバムリマスター化へ

昨年の年末、ライブの後にリュウちゃんと飲んでいた際、
「ポール・マッカトニーもまもなく70歳だし、プロデューサーのジョージ・マーティンも80歳を超えてしまった。彼らが元気なウチに、何とかビートルズのCDのリマスター化をして欲しいですね。今の技術なら、ずっと原音に近い音になるでしょう」という話になった。

そもそもビートルズのアルバムが初めてCD化されたのは1987年のこと(実は1982年にアルバム"Abby Road"がCD化されているが、すぐにメーカーに回収されている。当時、僕はこの現物を友人の家で目撃したことがある)。

この1987年という年は、ビートルズの最高傑作(個人的には異論がある)「Sgt.Pepper’s Lonely Hearts Club Band」のリリースからちょうど20周年にあたった。

このアルバムのタイトル曲にこういう一節がある。
「It was twenty Yerars ago today, Sgt.Pepper Taught the Band to Play」
(それは20年前の今日、ペパー軍曹がこのバンドに演奏を教えたのです)」。

この「20年」という数字こだわったのだろう。
当時、このCD化プロジェクトは、「Sgt. Pepper’s」発売20周年記念日(6月1
日)に同作品のCDをリリースするため、それにあわせるようにリリース・スケジュールを組んでいった。まず3月1日に初期の4タイトルがリリースされたのを皮切りに、各月に3~4タイトルずつ順番に発売されていったのだ。
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とりわけ「目玉」だった「Sgt Pepper’s」の発売日には、お茶の水の「ディスク・ユニオン」では派手な販売コーナーを組み、外に向けてガンガンCDを流しながらのお祭り騒ぎをしていたのを覚えている。

当時1タイトルの価格は3,200円。これはまだ大学生だった僕にとって大変ヘヴィーな値段だった。当時のアルバイトの時給の相場が680~800円という、そんな時代だ。

当時リリースされたCDのうち3月1日にリリースされた初期の4タイトル「Please Please Me」「With The Beatles」「A Hard Da’yS Night」「For Sale」は、それまで容易に入手できた国内レコード盤がステレオ(左右の音が分離している)バージョンだったのに対して、モノラル(左右の音が同一)バージョンとなっていた。

ステレオバージョンでは左右の音が「ボーカル」と「演奏」という具合に分離しすぎていて、間延びした感じだったけど、モノラルバージョンでは音の密度が濃くなって迫力が出た。このモノナル化については賛否両論あったけど、僕はこっちの音の方が気に入っていた。ただ、アナログ盤のステレオバージョンは珍しいものになってしまったので、後に自分で楽しむためにCDにした。

いずれにせよ今から22年前の技術によるCD化だから、原音の再現性の低さは否めなかった。1999年にはThe Beatlesの一部音源をデジタルリマスター化した「イエロー・サブマリン・ソングトラック」がリリースされたけど、その鮮やかだけどギラギラしておらず、臨場感のある音に驚いたものだ(あくまでも個人の感想)。原音をCD上に再現するリマスター技術は、確実に進んでいるんだなと感じたものだ。

それからさらに10年という時間がたったところで、本日「ビートルズの全オリジナルアルバムがリマスターCD化」というニュースが大々的に報道された。記事によれば....

ロンドンにあるEMIのアビイ・ロード・スタジオで4年かけてリマスター。最新のレコーディング技術に加え、ビンテージ機材も用いながら行なわれ、クリック音やボーカルの破裂音などは曲本来のイメージを損なわない限りにおいて修復したという。
また、リマスターに伴うノイズ除去においても、ビートルズの楽曲の重要性に鑑み、本来の持ち味をなくさないように行なわれ、作業チームによる度重なるチェックを経て「オリジナルのリリース以来、最も原音に近いサウンド」というCDのリリースに至った。

22年前にモノラルでリリースされた初期の4タイトルは「ステレオでの初CD化!」となり、期間限定でCDエキストラ仕様となり、各アルバムに関するドキュメンタリー映像がつくらしい。それと別に全タイトルをコンパイルしたBOXセットもリリースされるようで、そこには特典DVD(各アルバムのドキュメンタリー映像をオールインワンにしたもの)がつくそうだ。また、これとは別にモノラルバージョンによるBOXセットもリリースされるらしい。

ということで、昨年の飲み屋での「たわごと」が実現する。
9月9日が楽しみだけど、その前に7月11日のSimon & Garfunkelの東京ドーム公演も楽しみだなぁ、というところで今日はおしまい。

The beatlesリマスターCD公式サイト
(いきなり音楽流れるので、かなり驚きます)