旧岩崎邸
9月18日、上野にある旧岩崎邸公園へと遊びにゆく。
この公園は、不忍池から湯島の高台へ向かう無縁坂の左手にある。公園の中には、三菱の総帥だった岩崎久弥の別邸が現存している。
鹿鳴館(高校生の頃、この名前のロックバンドを結成したことがある。)で有名なジョサイア・コンドルの設計で、何でもイギリス・バロック様式と呼ぶのだそうだ。
明治29年というから、今から110年以上前の建築。丁寧に修復されたのち、平成13年から一般公開されるようになった。この時代の洋風建築で、これだけの規模で現存しているモノは珍しいんじゃないかと思う。しかも絶品!
隣接して日本家屋の一部と山小屋風のビリヤード室が現存している。ビリヤード室とはこの階下にある地下道で繋がっている。
内装は一般公開に先立って修復された。とりわけ金箔を使用した壁紙が、そっくり再現されたのだが、ド派手なゴージャスさだった。
とにかくビリヤード室一棟だけでも、当時の一般的な日本家屋の四倍以上あるし、そもそもこの邸宅群は、あくまでも「別邸」なのだから驚かされる。当時の三菱の財力、いや岩崎家の財力というのは途方もなかったのだろう。
戦後は連合軍に接収され、日本国内で秘密工作を行ったいわゆる「キャノン機関」のアジトとなっている。
作家の鹿地亘(かじわたる)は昭和27年に、キャノン機関に拉致されて、この邸宅(当時は「岩崎ハウス」と呼ばれた)に監禁されたことがある。「共産党のスパイ」の疑いを受けたのだ。鹿地が脱出に成功したため、「キャノン機関」の存在が明るみになった。ちなみにキャノン機関は、僕の調べている「下山事件」にも関与していたという説が根強い。
この豪奢な邸宅には、そんな歴史もあったりする。
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