それは空回りではないかもしれない

教室事件簿

今日はなんだかFacebook的な記事かもしれません。

まつざき幸介さんのアコーステイックライブなんですが、会場側のダブルブッキングという不手際で「延期」となってしまいました。
今回のライブはまつざきさんの「新境地」ということで、気合を入れて応援させて頂いたのですが残念です。

実は、ここ2週間でこのような「空回り」が4連続であったのです。中には3か月かけたプロジェクトが「おじゃん」というのもありました。ひぇ~。

(画像は本文と関係ありません)

こういう時に悪い意識を「右から左に流し捨てる」ことに関してはこの8年で随分鍛えられたと思いますが、さすがに4連続はキツいです。
何だか悪いものに憑かれたんじゃないかと思いました。そうそう「憑かれた」と「疲れた」では読みは一緒ですね(笑)
そこで「憑き落とし」もかねて、土曜日は休むことにしました。
なぜか「空回りのブルース」という詞をメールに書いてスタッフに送り、休みを頂きました。

こう考えたらいいでしょう。今まで裏ノリのリズムをとっていたのが、いつのまにかに表でリズムをとるようになってしまっている。だから「空回り」するのです。
そういう時は「休符」を入れることで裏ノリのリズムを取り戻せばいいのです。
えっ、意味わからないって?僕もよくわかりません。

そんなわけで今日は家でのんびりしていました(笑)
すると会社から電話がかかってきました。
「以前やめられた生徒の〇〇さんが、突然宗さんに会いに来た」というのです。

〇〇さんは大変お世話になった方です。
「いまから行くので、お待ち頂くように伝えて下さい」と言って、娘を連れて会社へと向かいました。娘を連れて行ったのは、上大岡で買い物をして帰ろうと思ったからです。
〇〇さんは相変わらずお元気そうでしたし、お子さんもずいぶん大きくなられていました。こうやって今でも忘れずに教室に遊びに来てくれるのはとても嬉しいことです。

(画像は本文と関係ありません)

そして娘とヨドバシで買い物をして、さあ帰ろうという時にまた会社から電話がかかってきました。
「”教室を見学したい”というご夫婦がいらっしゃるのですが、2時30分ごろ来たいとのことです。宗さん、お相手できないものでしょうか?」とのこと。
「了解」と言って娘と会社に戻りました。

来客まで1時間、ライブ関係の資料を作ることにしました。娘はさっきからロビーで読書をしています。

ふと時計を見ると2時50分。
「ありゃあ、これはまた空回りか?」と不安が頭をよぎりました。
そこへご夫婦が「道を間違えて遅れました」と頭をかきながら来られました。

ひととおり教室の説明をさせて頂き、ご夫婦がどのようなレッスンを受けたいのかをヒヤリングして、これこれこういう感じでレッスンを受けられてはいかがでしょうか?とご説明申し上げました。

本来は体験レッスンを受講して頂いて、入会するというパターンが多いのですが、ご夫婦は即ご入会ということになりました。
そんな中で、ご主人さんからこう言われたのです。

「実はおたくに行く前に何校か廻ったんです。ところが、なんだか雰囲気が暗いのと、音楽の空気みたいなものがなかった...うまく説明できないのですが...ところがあなたの学校に入ったとたんに、いい音楽の空気みたいなものを感じました。ですから入会します」

この瞬間、僕は深く頭を下げてお礼を申し上げたのです。

(画像は本文と関係ありません)

「音楽の空気」。
これだけは他のどこにも負けない自信があるし、ここにいると自分自身がそれを感じます。
この空気さえあれば、多少の空回りなど何てことはないということを、改めて実感したのです。いや、実感させられたのでした。
このご夫婦に、逆に素敵な啓示を受けたような気分になりました。

もうひとつ言えば、娘がそうやって働く父の姿を見ていたことも、大変嬉しいことでした。

「空回り」が続くと、人はいいことを忘れてしまいがちですが、この2週間を振り返ると、決して悪いことだけではなかったことも思い出します。
僕の個人的な「いいこと」はおいておくとして、こんなこともありました。

(画像は本文と関係ありません)

数日前、出勤したら、いきなりEmiさんに言われました。
「宗さん、○月○日に健康診断を申し込んでおいたので、必ず受診して下さい」
スタッフたちは僕が長年にわたって、なかなか健康診断を受けないことを、心配していたというのです。
「えっ、いくらかかるの?」
「4万円です。絶対受診して下さいね!」
「はい」

内心「4万円の決済権限は社長レベルだよ」と思いつつ、この思い切った「改革」に嬉しい自分がいました。

たとえ空回りがあろうと、この「音楽の空気」と素敵な仕事仲間に恵まれているならば、すべては前に進み続けると思います。

「塞翁が馬」とはよく言ったものです。
今は「空回り」と見えるかもしれません。
だけど、それを回し続ける人たちがしっかりしていれば、
それは空回りではないかもしれません。

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