The trees×The Rolly presents 「SCENE」 at 下北沢Basement Bar

ライブレポ

たまたま下北沢にある音楽出版社の社長さんと商談の予定があり、社長さんより23日だったら横浜へ行けるとご提案頂いた。

「ちょっと待てよ、23日ならこちらが下北沢へ行く日だ」
The Rolly
The Rollyが下北沢のミュージックシーンに飛び出して行ってはや一年、23日に初の共催イベント(The treesとの共催)を行うのでぜひおいで下さいとリーダーの尾身君からお誘い受けていたのだ。

というわけで、この日は偶然にも下北で商談&ライブという不思議なことになってしまった。
思いのほか早めに商談も終わったので街をぶらぶら。

改めてぶらぶらしてみると本当に下北の(マニアックな)CDショップが減ってしまったなと思う。
ゲームセンターになったり、ゲームソフトの中古屋さんになったり....
そんな中で「フラッシュ・ディスク・ランチ」のようにいまだアナログ盤専門店で頑張っているお店もあるわけだから「生き残ること自体に意味がある」ような時代になってしまったようだ。
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この日は結局ディスクユニオンで作詞家安井かずみの唯一のアルバム「ZUZU」を発見したのが収穫といえば収穫だった。1960年代後半から70年代初頭にかけて「瀟洒なトーキョー」を具現化したような洒落た音楽が傍流として存在した時があった。六本木の「キャンティ」というイタリア料理店に集う文化人の人脈を中心に生まれた音楽だから「六本木系」と言ってもいい。これもそんな一枚で、主にボサノヴァやフレンチポップスに影響を受けた音が詰まっている(もっとも出来は中途半端だけど)。当時の日本人の生活水準からはおよそかけ離れた音楽だし、それは今でも変わらない。等身大の「下北沢系」の音からみると真逆の音楽ともいえる。

(安井かずみ「プール・コワ」。作曲:ムッシュかまやつ)

ちなみにこれは余談になってしまうけど「六本木系」の最終期に生まれたのが荒井由実(松任谷由実)。彼女は誰もが背伸びをするバブル経済の絶頂期に時代を象徴するイコンとなっていった。
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えーと、何の話だっけ?そうだThe Rollyの記事だこりゃ。
そんなわけで下北沢的なものとは真逆の世界のようなCDを購入した僕は、真っすぐライブ会場へと向かった。
会場の下北沢Basement Bar。ここ一年、The Rollyが育ったハコだ。今回のRollyもまた、ここで見る。
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「人事異動」....ドラムスの小林隼太が、本来のポジションであるギターへと戻り、新たにドラマーがサポートメンバーとして加わり、織裳凌平はボーカル専門になるのかと思いきや、ギター3人体制となった...というのが現時点の人事構成だ。前回DAISY BARで尾身君から紹介して頂いたThe treesとの共催という形での今回のイベントだ。

Vinyl poolさんは見れなかったのでお次のバンドから書く。
The slot holders
(The Slot holders)
The slot holdersは町田出身のストレートなロックバンド。「Turn UP Sun」と「Milk」がいいなと思った。後でギタリストの山口雅人君...左利きのストラトをプレイする...と話す機会があったのだけど「1960年代に生まれたかったです!」とズバリの一言。
The trees
(The trees)
The treesはそうだな、一言でいえば「Frozen Rock」かな。サウンドがU2「New Years Day」みたいに凍り付いている。でもホット。
僕は「Sea」と「Outside」がいいなと思った。

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(The Rolly...先ほどからキャプションない画像はすべて彼ら)
そしてThe Rollyの登場。
おおいいねぇ~音が塊(Rock)になってガツーンと前に出ているわい。
新曲も沢山増えているわい。絵になっとるわい。そしてベース君が笑顔でプレイしているじゃないか。尾身君が綾鷹を飲んでいるじゃないか。
The Rolly尾身君の綾鷹
(尾身君の綾鷹)

後で顔見知りのファンの女の子とも話したのだけど、過去最高のステージだったんじゃないかということで意見が一致した。
The Rollyサウンドは抒情的な部分もロック的な部分もいいようにフィーチャーできるのが特徴で、こういうバランス感覚と飽きさせない芳醇な音作りが魅力的。
あとは本格的なCDをリリースして、もうひとつ上のステップに挑戦してくれたら、嬉しいなったら楽しいな。

ライブレポ