makoto & 千佐都 “アコ趣味” Live at 上大岡 “赤い風船”

ライブレポ

僕のような立場にいると、時折尋ねられることがある。
「生徒さんをプロデビューさせたいでしょ?教室のハクもつくしね?」

いやいやとんでもございません。USには本部主導のオーディションシステムがあるわけだし、横浜南校が単独でそんなことに熱中するようになったら、失うものの方が遥かに大きい。まずは純粋に歌を上手になりたいという人たちの想いを大切にすることが、僕のトコロのスタンスでございます。

それに「プロデビュー」なんて言葉で周囲が色目を使って、未成熟な表現者を祭り上げ、ヘンなプロデューサーやら事務所に振ってあたら若い才能を潰してしまった例をいくらでも知っているからね。「googleやYahooで貴方のサイトを検索結果の上位に表示します」なんてやっているアヤシイSEO会社と一緒のようなことはしたくないものだ(ん、意味わかる?)。

僕はCDショップでバイヤー職をしていたこともあるから、音楽業界の厳しさはいやと言うほど知っている。送り手の思惑と実際の売れ行きというシビアな接点にいた人間だけが感じることのできる厳しさだ。
それとPCやインターネットの普及によって、以前に比べると「インディーズ」の比重が高くなって、「プロ」という言葉の重みが相対的に急低下していることも知っている。10年前の音楽業界のような売れる仕組みや売れる構造が根本的に変化している時代なのである。
僕が道端の表現者支援用家内制手工業的レーベル「So-Called Music」を立ち上げたのはそんな意味がある(ん、宣伝?)。

エラそうに言って申し訳ないけど、若い表現者(ここではシンガー・ソングライター)に大切なのは、貪欲に古今東西の音楽を吸収し、表現者としての音楽のボキャブラリーを充実させることだろう。音楽のボキャブラリーの無い表現者は、その音楽を聴けばすぐにわかるし、たとえデビューしても先細りするだけだ。ちなみに先細りしそうな表現者を暖かく見守るほど、CDショップのバイヤー職は優しくはない。だからそういうボキャブラリーを充実させるための応援は、いくらでもしてゆくつもりだ。こうやってネット上にライブのレビューを書いて応援してゆくことだって、大切だ。

そして何よりも大切なのは、歌い続けること曲を作り続けることだ。
その経験の積み重ねは必ず磁力になる。そこにチャンスが引き寄せられてゆく。
そう、なるようになるのだ。
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さて、前回から20日にして、再び「アコ趣味」ライブ。またもやビデオカメラを担いで"赤い風船"へと行く。
今回は千佐都とあわせてmakotoも出演だ。二人ともソングライターとして貪欲に未知の音楽を吸収し、お互いに刺激しあっている。

今回会場に集まった「ご存知ゆーえす&関連軍団」はレッスンの合間を抜けてきたChiyちゃん、マサトシさん、59喉、ショウコちゃん、そして僕。

13時からまず、makotoのステージが始まる。
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makotoの音楽の面白いところは、純粋なフォークではなくロックをベースにしたフォークだっていうこと。とりわけ最近の作品はロックがかってきている。常日頃、教室のロビーがお気に入りの作曲環境だ言い切っているのだけど、教室にゴロゴロ転がっている様々な音源や映像が、とても刺激になりつつあるようだ。以前に比べると、どんどん楽曲も洗練されつつある。その成長のスピードには驚かされる。今後の作品も楽しみにしたい(ギターリフのテクニックを上達させて、いかにカッコ良く決めるかが今後の課題だよね)。

そして13時30分からは千佐都のステージ。
今回はすべてオリジナルで固めていた。Chiyちゃんが「月明かり」を聞いて涙を流していた。人の心を動かす音楽を、彼女は確実に醸造しつつある。ここ数日、ニール・ヤング、ジェイムズ・テーラー、S&G、、ジョニ・ミッチェルなんて音楽に対する感心が彼女から出てきている。彼女もまた音楽を貪欲に吸収し、それを栄養にして、今後も新たな音楽を作ってゆくだろう。
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この二人の偉いところは、本当に好きで音楽をやっている点。何が何でもプロになるのだという色目は全然ない。ご名答。好きでやっていれば、なるようになるわけで、このスタンスを保つことは、とても大切だよ。

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