「今日の一曲」12月まとめ

上大岡的音楽生活

Facebookで非定期連載している「今日の一曲」のまとめです。

12月3日(誕生日)
【The Beatles – Norwegian Wood】(1965)
1965年という年は今につながるロックとそれ以前のロックとの大きな分水嶺となった年でした。
Bod Dylanはフォークギターからエレキ・ギターへと持ち替えてロック化し、The Byrdsは「フォーク・ロック」を提案し、それまでダンスミュージックだったロックはメッセージ性の高いものへと飛躍しようとしていたのです。
当時のイギリスでは12月の第一金曜日はクリスマスシーンズンを見越した強力レコードのリリース日でした。そして1965年12月3日はそんな金曜日だったのです。
この日、The beatlesのアルバム「Rubber Soul」がリリースされました。彼らの音楽にとっても、ロックの歴史にとっても大きな分水嶺となった一枚です。彼らの才気はもはやアルバム一枚におさまらず、同じ日に「Day Tripper / We Can Work It Out」という超強力な両A面シングルも同時リリースされています。
このリリース日に生まれたことを、私自身とても運命的に感じています。
そんな「Rubber Soul」の中から邦題の誤訳が文学史に影響を与えてしまった一曲をどうぞ。

【The Who – Kids Are Alright】(1965)
僕が生まれた1965年12月3日には、もうひとつ忘れてはならないアルバムがリリースされています。
The Whoの1st Album「My Generation」がそれでした。
今でこそブリットロックで重要な位置にある名盤ですが、1966年にプロデューサーとThe Whoサイドが法的に対立した結果「My Generation」のオリジナルマスターテープは封印されてしまいました。ですから我々は2002年の「歴史的和解」まで、このアルバムを粗悪な音質のUS編集盤などでしか聞くことができなかったのです。
そんな状況でも1970年代のパンクロックの時代になってアンチThe Beatlesな連中が好んで聞いたアルバムだったのですから、歴史的意義が大きかった作品だったと言えるでしょう。
そんな中から翌年に法廷闘争のゴタゴタで無理やりシングルカットされた"The Kids Are Alright"をどうぞ。
“Kids Are Alright"っていうのは、永遠の名文句ですね(笑)
中学生の頃、The WhoとThe Beatlesに出会っていなければ、今の自分はいなかったと思います。
そういう意味でも、この2枚のアルバムのリリース日に生まれたことには、運命的なものを感じずにはいられません。

12月6日
【Bonnie Raitt – Feels Like Home】(1995)
もはや「現代のフォスター」と言えるRandy Newmanの作品です。
1995年に彼が書き下ろしたミュージカル"Faust"のサウンドトラックに初収録されて以降、Linda Ronstadtほか大勢のシンガーにカバーされています(日本では無名曲かも)。
アメリカでは「結婚式の定番ソング」になっていると聞いたことがありますが、本当でしょうか。

12月8日(太平洋戦争開戦日)
【Glenn Miller & His Orchestra – Moonlight Cocktai】(1941)
この曲レコーディングされたのは1941(昭和16)年12月8日、つまり真珠湾攻撃の当日でした。
翌1942年にリリースされ、当時のアメリカで最大のヒットとなりました。しかし、同盟国で総力戦体制にあったイギリスでは、この感傷的なメロディと歌詞は戦時体制にそぐわないと判断されたようです。イギリス国営放送では「曲がセンチメンタルすぎる」という理由で放送禁止曲リストに加えられたのです。

【童謡 – たきび】(1941)
この曲が初めてラジオでオンエアされたのは1941(昭和16)年12月9日、つまり真珠湾攻撃の翌日でした。
NHKの子供向けラジオ番組で放送されたのです。
ところが、たちまち軍部からクレームがきました。
「たき火は空襲時に敵の攻撃目標になる」「落ち葉ですら貴重な資源である」

この曲はたった一日のオンエアで封印され、以後戦後まで歌われることはなかったのです。

12月9日(John Lennon暗殺)
【1980/12/8(日本時間12/9)John Lennonの死を伝えるテレビのニュース】
今日の1曲..ではなく音。「John Lennon暗殺を報じるニュース (1980)」
私自身が1980年12月9日にカセットテープで録音したJohn Lennonの死を伝えるニュースです。
昨年、自分のBlog「上大岡的音楽生活」ではじめて紹介しました。

Johnが暗殺されたのは日本時間では12月9日の13時ちょっと前でした。このニュースを録音したのは18時頃と21時だったと記憶しています。
後半はこちら

12月16日
【The Four Seasons – December, 1963 (Oh, What a Night)】(1975)
1975年にリリースされ、翌年にビルボードチャートで1位になった曲です。「1963年12月の彼女との素敵な夜」の思い出を歌った曲なんですが、僕は前月の11月22日に起きたケネディの暗殺事件をどうしても思い出しまいます。そういう暗い事件の直後に生まれた「甘い思い出」だからこそ、より一層それが映えてくる....作詞者にはそういう意図があったんじゃないかと思います。

12月19日
【The Water of Life – 風のすみか】(1998)
「売れる」ということと「いい曲」ということは全く別物なわけですが、これもそんな1曲でした。1998年の秋から冬にかけて一体どれぐらいの人がこの曲を耳にしたのかはわかりません。とにかくこの曲は僕の職場で高い評価を得ていたにもかかわらず、ほとんど売れなかったのです。
「風のすみか」は滋賀県長浜出身のシンガー・ソング・ライター清水和彦の作品です。"The Water of Life"は彼の変名でした。この曲を聞いていると琵琶湖の湖畔で漣の音を聞きながら比叡山の方から流れてくる雲を眺めているような気分になったものです。
そんな清水和彦は、2004年に琵琶湖の湖周道路(県道2号)で亡くなりました。
トラックを追い抜こうとして対向車線を走行してくるトラックに正面衝突したのです。享年32歳でした。
楽曲リンク先

12月24日
【Harry Nilsson – Remember (Christmas) 】(1972)
1972年にアルバム「Son of Schmilsson (シュミルソン二世)」に収録された作品です。

12月25日
【The Band – Christmas Must Be Tonight 】(1977)
イブの翌日ぐらいは渋くゆきましょう。

12月26日
【相対性理論 – Loveずっきゅん】(2008)
年末のクソ忙しい時に、耳に余計なフレーズがこびりつく一曲をどうぞ。
「らぶ、らぶ、らぶずっきゅん」

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