ブルースカイブルー

西城秀樹の訃報は、ムッシュとかチャック・ベリーとはまた別の意味を持っていました。
ヒデキのファンだったとかそうでないという事じゃなくて、僕ぐらい世代が共有していた「何か」の喪失感なんです。

「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」は社会現象レベルでの大ヒットだったし「ヒデキ、カンゲキ」は合言葉でした。
でもWikiのディスコグラフィーを見ていると、結構知らない曲があるんです。

あの頃、生まれが一年違うと、ホント音楽体験が違っていた。
ヒデキがいわゆる「御三家(郷ひろみと野口五郎)」として売り出されていた時代には、自分はまだ子供でしたし、最大のヒットだった「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」の時は中学一年生でしたから、もう男性アイドルにハマる年齢でもない。せいぜい大ヒットの熱気を覚えているぐらいです。

そうそう中一の男友達だった「ベベさん」がやたらと熱を入れているのを面白がっていたっけな。
ベベさんはヒデキを「男の中の男」だなんて猛烈にプッシュしていましたから。

そんな自分にとって、忘れられない一曲が「ブルースカイブルー」。

ヒデキにしては珍しいバラードなんですが、この曲のメロディーがとても好きでした。
1978年8月25日という発売日をみると「うーん9月まで泳いでいたかなぁ~」と考え込んでしまうのですが、水泳部で泳いでいた時、いつもこれを頭の中で歌っていました。

オリコン3位、年間51位だそうですから、スマッシュヒット程度だったのですが、1970年代歌謡曲の中でも名曲だと思います。
歌詞は子供には難しすぎるんですが、メロディがどことなくバロック音楽のようなところがある。馬飼野康二は実にいい仕事をしていると思います。

(ブルースカイブルー 1978年8月25日発売)

彼の訃報を聞いた時、この曲を聞こうと思ったのですが、ヒデキの曲が入ったiPodを家に忘れてきてしまった。
そこで、もう一台のiPodに入っているカバーバージョンを聞くことにしました。

歌手のまつざき幸介さんが、2011年に「Signpost」というアンプラグドなカバーアルバムで歌ったものです。
アコーステイック・ギターとピアノだけで歌っているんですが、これが実にいい。
(ほかにも中村雅俊「海を抱きしめて」とかちあきなおみ「喝采」とか、選曲がツボでした)。

CDリリース直後、まつざきさんに「ブルースカイブルーとは実に穴場の曲を歌いましたね」と言ったところ「いやぁ~、もう大好きなんですよ」と返されました。
考えてみると、まつざきさんはデビューの頃のアーチストネームは「松崎英樹」だったし、何となくヒデキと面影が似ている所があるんですよね。

さて、話が脱線しましたが、特にオチもないので「ブルースカイブルー」の歌詞で終わらせます。

青空よ心を伝えてよ
悲しみはあまりにも大きい
青空よ遠い人に伝えて さよならと