初詣譚

あけましておめでとうございます。
本年もこの辺境blogをよろしくお願いいたします。

さて、幸か不幸か僕は会社の経営者なので、いち個人としても企業の代表としても初詣に行くわけです。以前は別々の場所に参拝をしていた事もあったのですが、それも次第に面倒になり、現在はほぼ抱き合わせ詣でをやっています。

毎年毎年、地道にひとつ所にお参りするわけでもありません。
昨年までは「柴又帝釈天」→「川崎大師」→「鶴岡八幡宮」とローテーションを組んでいました。新年って気分を一新するわけですから初詣先もマンネリ化させないようにしていたのです。

そして今回、新たにレパートリーを増やそうと思い、向かったのは伊勢山皇大神宮でした。横浜市の総鎮守社。横浜商工会議所やハマの名だたる企業が初詣に行く神社さんです。

伊勢山皇大神宮

一応は4歳の頃から横浜に住んでいたわけですが(途中21年は千葉と関西)、ここに来るのは初めてではないかと思います。そもそも正確な場所も知らなかったぐらい。

いっぽう京都生まれの家内の方がここへ行っているそうです。何でも正月明けになると会社で参拝するんだとか。でも彼女は桜木町側からの行き方は知っているけど、日ノ出町側からのアプローチご存知ない。つまり誰も行き方を知らない。Google Mapで行き先を調べるのも面倒臭いので、とにかく日ノ出町の方から人の向かう方向へぞろぞろついて行きました。

なんか信じられないぐらい渋い石段を登ってゆきます。粋な小料理屋でもあって三味線の音でも流れてきそうな場所です。そうすると成田山別院の境内へとたどり着きました。

お寺さんには申し訳ないですが、その境内を通り抜け、へろへろと人の流れる方向に付いて行ったら神社に到着です。

鳥居にはやや長い行列ができていましたが、「祈祷」の人は別ルートで境内に入れるので、行列に並ぶ必要がないので助かります。

社務所で祈祷の申し込み。
毎年、一定の初穂料をお支払いしてお札を頂くのですが、伊勢山さんの場合は「鈴祓」と「祈祷」と二種類の初穂料がある事もわかりました。

「鈴祓」では参拝者全員を対象として祝詞を読んでくれるのですが、「祈祷」を選ぶと会社名や祈願内容まで読んでくれるのだそうです。その代わり、頂けるお札が小さくなるらしい。別に会社名は読んで頂かなくてもよいので、木のお札が頂ける「鈴祓」を選びました。

拝殿脇で玉串を渡され、さほど待たずして奥の本殿へと案内されました。
いやあ実に新しい(真っ白な)本殿だなと思ったら、昨年10月に完成したばかりだったんですね。伊勢神宮の遷宮で不要になった旧社殿を譲り受けたんですね。これは「はまれぽ」さんの記事で知りました。

「はまれぽ」さんの記事では2020年に本殿落成予定となっているのですが、実際には完成が早まったようですね。

宮司さんの読み上げる「祝詞」はいいですね。「かしこみかしこみ」から始まる独特の節回しが音楽になっている。頭を深く垂れながら聞き入ってしまいました。

儀式を終えて境内に戻ると西の空の夕焼けと雲がいい色を出していました。

伊勢山皇大神宮

境内で印象に残ったのがこのタワーな建物。そして付属の木造家屋です。

「昭和三年一月 御大典記念 横浜青年連合團」と銘板にそう書いてありました。昭和天皇即位記念に建てられたということですね。ひとつ、いやふたつ前の時代の記念物というわけです。 「太鼓楼」なのだそうで、高台の楼閣から鳴らす太鼓が横浜中に響き渡った時代もあったのでしょう。

付属の木造家屋も昭和三年築だと思います。横浜市内で築年数が判明している木造家屋としては希少なものかもしれません。

想像していた以上に大きなお札(過去最大)を頂き、帰路につくわけですが、先ほどスルーした成田山別院に申し訳ないので、こちらもお参りすることにします。

名の通り、成田山新勝寺(真言宗智山派)の別院ですね。 伊勢山皇大神宮が伊勢に行かずして天照大神にお参りできるのと一緒で、わざわざ成田まで行かなくてもこの別院でお参りできるわけです。こちらはこちらで何とものんびりした感じがあって気に入りました。さらにその隣には萬徳寺(曹洞宗)というお寺が並んでいまして、そちらもお参りしました。普段は意識しませんが、この2つは父と母と両家の宗旨になるのです。

来年からはこの付近で初詣のローテーションを繰り返すのも悪くないなと、極めて日本人らしい宗教観の持ち主である僕は、そう思うのでした。