1964年東京オリンピック – カルピスオリンピックハイライトソノシート

いま私たちはニュース速報で感染爆発と金メダル受賞のニュースが交互に入って来るという、不思議な国家に住んでいます。

これを「パラレルワールド」と表現したらいいのか、「デュアルワールド」と表現したらいいのかは悩む所です。オリンピックに我関せずの方なら「パラレル」となるし、両方とも気になる方なら「デュアル」という表現が正しいでしょうか。

まあとにかく、たとえそのイベント自体が「安全・安心」だとしても、人の心というものは別にあります。「国がオリンピックをするなら我々も」という国民の心情を想定していなかったのであれば、この国は本当に「デュアル国家」なのかもしれません。


さて、こんな時に何ですが、だったら「もう一つのワールド」を召喚してみましょう。

これは1964年東京オリンピックの際、カルピス食品工業株式会社が出した、非売品ソノシートです。誰にどんな形で配布されたのかは不明ですが、我が家に昔からあったものです。

1964年当時、各社(現代芸術社、朝日ソノラマ社、勁文社)がオリンピックのソノシート(フォノシート)を出版しました。我が家にはこれともうひとつ現代芸術社の「あゝ感激の瞬間 東京オリンピック録音と写真集」というのがありますが、こちらは片面4枚組なのに対して「カルピスのは」両面5枚組です。全て聞くのに1時間9分かかります。

豪華なボリュームでリリースしちゃうのはさすが公式スポンサーですね。

「カルピスオリンピックハイライト」より一枚目、青のソノシート

5色色違いのソノシートは並べると5輪になる仕様です。

今回の東京オリンピックを記念して音源をデジタル化&リマスターしてみました。
その録音から聞こえてくるのは、いま我々がいる世界とは実に対照的な熱気に満ちた国民の歓声と情熱でした。

今回のオリンピックも2025年大阪万博もそうですが、正直言って誰かさんたちの「あの時の栄光をもう一度」感は否めません。
過去の亡霊に囚われていたら、うまくゆくものも行かないでしょう。

だったらその「過去の亡霊」を楽しむのが一番です。
YoutubeにもUPしてみました。ぜひぜひお聞きになって下さいませ。

ところで….このナレーターの声が私には東野英治郎(黄門様)のような気がしてならないのですが、多分気のせいでしょうね。