秋の大収穫祭(2)

シングル編その2

●蓮井朱夏 – ZOO(2000.9.7)
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蓮井朱夏(菅野美穂)のこの曲をCDで入手するには、今でもこのシングルを買うしか手段がない。
20世紀の最終段階になって、唐突にこの曲はヒットした。菅野美穂のピュアすぎる歌唱と70年代っぽいサウンドがとても不思議な雰囲気をかもし出していた。この曲の持つアナクロニズムは、およそ21世紀に似つかわしくない風情だったけど、もしかしたら音楽はこういう音に戻ってゆくのかな?てなことを思ったりもした。あれから6年。この予想はそれほど外れてはいなかったと思う。

●桃乃未琴 – 大切なコト(2000.10.16)&青いトゲ(2000.05.24)
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「もものみこと」...彼女の名前をいまどれだけの人が覚えているのだろう?
公式サイトは閉鎖されているが、現在は平岡恵子さんという本名で音楽活動をしている。彼女のblogもある。
この人は「惜しい人」だった。デビューシングル「あなたは海の底」は彼女の「実力」よりも「迫力」ばかりが前面にプロモされていた作品だった。ところが、その後何枚ものシングルを経て、急激に彼女の音楽は煮詰まっていった。僕は彼女に対する考えをどんどん改めていった。しかし残念なことに、すでに女性ロックの音は椎名林檎や矢井田瞳あたりでその主要な牙城を埋め尽くされていたのだった....この2曲をあらためて聴いて(1曲はなぜか玉置浩二作曲)いて思うことがある。とても良い作品だと思うし、センスもいい。だけど2000年当時にしては、明らかに何かタイミングを逸してしまっていた。

●川口大輔 – Before The Dawn (2003.1.29)
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中島美嘉の「STARS」「WILL」、そしてCHEMISTRYの「君をさがしてた」「Let’s Get Together Now」を作曲した川口大輔によるミニ・アルバム。以上の楽曲のセルフカバー曲を収録。純粋に音楽の音楽的な部分だけが抽出されたアルバムだ。ピアノマンが好きな人にはオススメの一枚かもしれない。

●Thee Michelle Gun Elephant – Baby Stardust
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最近アニキにミッシェルのベストを聞かせところ、ややアニキが開眼しかけている。
ところで上のジャケットだけど1967年のPink Floydのアルバム「夜明けの口笛吹き」↓のパロディだ。
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●神森徹也 – 夢物語(1995.11.1)
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レミレミの人...当時18歳にして「天才か狂気か」と呼ばれた男....10円だ、それはわかっている....でも2006年にはフリッパーズ・ギターもオザケンも"たま"もいない....正直言って今は聞くのがシンドイ.....しかも間違えて2枚も買ってやんの。

●王様 – 浜っ子伝説(1996.7.6)
僕はビーチ・ボーイス・フリークであるからして、直訳カバーのこのCDは「ノベルティ品」として買わなければならない運命にあるのさ。ちなみに「Surfin’ USA」は「波乗り米国」と歌われていた。

●Gaphia – I Love you,Sayonara (2002.9.11)
マジかと思って買ったらネタだった。欲しい人...あげるよ。

●室井箱&山崎ハコ – 希望(2000.10.12)
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「電波少年」の企画モノCDだが、不思議な魅力に溢れた一枚。まず室井滋歌唱バージョンだが、1969年にイギリスのプログレッシブ・ロック・バンドだったKing Crimson(キング・クリムゾン)が1969年にリリースした「キング・クリムゾンの宮殿(In The Court Of The Crimson King)」という曲の完全なパロディである。よくロバート・フィリップから訴えられなかったな、と。
いっぽう山崎ハコのバージョンは、暗さと恨みつらみに満ち溢れたハコ節が全開だ。
これを聞いたら当分は部屋の壁だけが君の友達だ。

●ブリーフ&トランクス – コンビニ
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僕がCDショップの店長をやっていた時の「武勇伝」はいろいろあるけど、これだけは今でも自信を持って言えることがある。おそらく全宇宙にむかって最初に「ブリーフ&トランクス」を絶賛した人間だ、ということだ。

1998年の初夏、突然お店にスターデジオから電話がかかってきた。3分ぐらいの電話によるインタビューによって、全国のCDショップの店長にオススメのアーチストを紹介してもらおうという企画らしい。実際のオンエアは数日後だそうだ。
番組担当の方が「オススメのアーチストと曲を教えて下さい」というので、「紹介したいアーチストはブリーフ&トランクスで、曲は”さなだ虫”でお願いします」と答えた。
当時ブリトラは「君が食べたものを僕は食べている。僕はさなだ虫、友達ミカヅキモ」という下品でとりとめのない歌詞が印象的な「さなだ虫」という曲でデビューしたばかりだった。

それから本番までの数日間に、ひととおり彼らについて勉強しようと思い、彼らの事務所であるDAIPROへと電話した。そうしたら事務所の方が大喜びで相手してくれた。こういう問い合わせは初めてだったらしい。今でも覚えているのは「この子たちの歌は”オチ"がないんですよ。凄いでしょう」という言葉だった。

数日後の本番当日、本番直前にかかってきた電話でスタッフにこう言われた。「すみません”さなだ虫”なんですが、放送上歌詞に問題があって放送できません。彼らの他の曲をかけさせて頂きます。」と言われた。あの「さなだ虫」以上に彼らの音楽を語れる歌などないと思っていたが、そこは僕もオトナだ。
「わかりました」と言うと、いよいよ本番を待った。
その前に店のスタッフに店内BGMを「さなだ虫」にかえることを指示するのを忘れなかった...
いよいよ本番が始まった。僕は電話のむこうのDJに対して.....いや視聴者に対して....いや衛星の電波が流る全宇宙に対して、彼らがどんなに素晴らしいグループかを熱く語ったのだった。

これ以外に購入したCDシングルは以下のとおり
●カジヒデキ(3)
●奥田民生(2)
●山崎まさよし(2)
●Tina(5)
●bird(4)
●Chara(2)
●Scudelia Electro(3)
●halcali(2)
●Paris Match(2)
●Advantage Lucy(2)