平湯温泉

ぶうらぶら,管理人のたわごと

雪見ドライブは趣味みたいなものです。
スノータイヤに取り換えると、冬の間に必ず雪のあるところを走りたくなる。

仕事納めとなったので、昨日はカミさんと雪見に車を走らせました。
渋滞がないようなので圏央道経由で中央道へ。
手っ取り早く雪見ができるとすればここしかないと、松本ICで降りてR158を安房峠へと向かいます。
途中でGSのスタッフに尋ねると「ダムから先は雪」とのこと。ダムって奈川渡ダムのことです。

最初は安房峠の手前、上高地の入口となる釜トンネルあたりまで行って引き返すか、高山経由で帰ろうぐらいに思っていたのです。
ところが雪道のため、想像していた以上に安房峠(トンネル)から先で時間がかかりそう。
だんだん面倒になってきて、安房トンネルを出た所にある平湯で一泊しようということになりました。

楽天トラベルで宿をみつけたのはいいのですが、ログインパスワードをまた忘れてしまいました。
楽天に関してはパスワード忘れる→「過去のパスワードは使いません」なので変更する→覚えられないという悪循環がずっと続いています。
直接宿に電話して素泊まりで予約しました。

まだ夕方の16時ぐらい。のんびりR158を進んでゆきます。
松本から安房峠に至る道は、日本で一番好きな道なんです。四季を通して何度も何度も走っています。
なるほど奈川渡ダムを越えると、一気に雪景色となりました。

(ダムによってできた梓湖畔のトンネル)

路面のジャリジャリとした感覚と雪景色が一気に別世界をいざなってくれます。沢渡の集落を越えると雪もチラホラと降ってきました。
好きな道といえば、群馬から新潟へと抜ける三国峠も素晴らしいのですが、こちらの安房峠への道にはかないません。自然の厳しさや秘境感がハンパない。
今にも雪崩に巻き込まれそうな道に魅力を感じるんですから、ヘンと言えばヘンですね。
釜トンネル
(上高地への分帰路となる釜トンネルの入口)

泉鏡花の「高野聖」では、主人公の若い僧侶は、この安房峠(小説では天生峠となっているが描写はこの峠そのもの)を汗だくになりながら...怪異に遭遇しながら...越えてゆきますが、今はトンネル一本で平湯に到着します。

(平湯バスターミナルからお月様)

ちょっと恐れていたのは「食事」。
何しろ素泊まりですから、夕食を先に済ませなきゃいけません。
まだ17時台だから何とかなるんじゃないかという観測は甘いものでした。バスターミナルの食堂は16時で終了していました。
幸いな事にターミナルの直近にほぼ唯一と言っていいような食堂を見つけ、カツ丼を食らいこんだうえで旅館「深山桜庵」にチェックインしました。いやとても良い宿でした。素泊まりで泊まるのはもったいなかった。
途中で下着だけは買いましたが、ここまで手ぶらでチェックインしたのは生まれて初めてかもしれません。

雪見の露天風呂に浸かりながら思いました。
「俺はこの瞬間のため、一年間働いてきたのかもしれないな」って。
働きに割にあうとかあわないとかそういう等価値の「瞬間」の話じゃないんです。
何かここに今年のひとつの「終点」を見る思いがしたんです。
また、そう思う事でまた来年のその「瞬間」まで頑張ろうと思う自分がそこにいるわけです。

さて、現実にはここからの帰路が待っています。
ここから松本へ引き返してもいいのですが、滅多に行く事のない高山方面へと降りてみることにしました。
そこでみた雪景色の数々です。



高山からはR361で木曽福島へ出て、いわゆる「木曽高速(R19)」と権兵衛峠越えで伊那ICから中央道へ。
渋滞もなく夕方には家に戻りました。飛騨高山からだと5時間30分ほどの帰路でした。
今、こうやってブログを書いていても、お昼前までこんな雪景色の中にいたことがまるで「夢」のような気分です。

生きているからこそ夢も見れるわけで、そのためには生きなきゃいかんわけで、そういう意味では今年も生き延びる事ができた事に感謝です。
そして一年間、このブログをご愛顧頂いた方にお礼申し上げます。

来年は喪中なので年始のご挨拶を省略させて頂きますが、来年もよろしくお願い致します。

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