The Honeycombs 「Love In Tokyo」に関するあれやこれや
60年代のイギリスのグループにThe Honeycombs(ハニーカムズ)というのがおりました。
紅一点のハニー・ラントリーがドラムス担当という変わったバンドでしたが、実質的な活動期間がわずか2年足らずだったため、知る人ぞ知るというバンドではあります。
そんな彼ら(彼女ら?)のヒツト曲といえばこれ。
(Have I the Right? – by The Honeycombs – 1964年6月発売)
いきなりデビューシングルの「Have I The Right」が世界的なヒットとなったのです。
この曲、なんだか風変りなリズムですね。4拍すべてにアクセントがあって、その上をギターリフが浮遊する。
まるで「阿波踊り」のようではありませんか。「祝祭的」という意味でははっぴいえんどの「はいからはくち」にも通じる所があります。
「Have I The Right」の世界的ヒットによって、The Honycombsが来日したのが1965年8月6日のことです。
ちょうど広島に原爆が投下されてから20年、この間の日本の大きな変化を感じるようなタイミングでした。
当時の外タレにしては珍しく、半月にわたって日本国内ツアーが繰り広げられました。
そしてツアー最終は東京サンケイホールで8月20日と21日の2デイズ。
この時のライブの模様は録音され、「イン・トウキョウ」としてリリースされています。
(Have I the Right? – by The Honeycombs – 1965年8月録音。発売時期不明 1966年と思われる)
これを聞いていると、ハニー・ランドリーのドラミングはかなり???がありまして、テンポにかなりのブレがある。
そのあたりが面白いです。
さて、私が生まれて2週間後の1965年12月17日、彼らのアルバム「All Systems ? Go!」がリリースされます。
ここに「Love In Tokyo」という曲が入っています。
(Love In Tokyo – by Honeycombs – 1965/12/17「All Systems – Go!」)
来日時にみた「Tokyo」という都市が印象深かったんでしょうね。
ちなみに翌1966年には同名タイトルのインド映画(かなりカルトで面白い!)が東京で制作されていますが、これは関係ないです。
当時、日本の洋楽追従も加速度的に早くなっています。
翌1966年1月15日...つまり本家のリリースから早くも一か月で日本人がこの曲をカバーしています。
「日本初の女性シンガーソング・ライター&日本初のネームに★マークを入れたアーチスト」と言われるミッチー★サハラ(以下、普通にミッチー・サハラで標記)がアルバム「聞いてよ、お願い」の中でこの曲をカバーしているんですね。
本家よりアップテンポ気味でドライブ感のある「Love In Tokyo」、僕はかなり気に入っています。
そんなThe Honycombsですが、主要メンンバーの脱退とプロデューサーの自殺などが相次ぎ、1967年には音楽活動を停止していまいます。
ところがどっこい....ちょっとYoutubeをうろうろしていたら、何と「Love in Tokyo」の2016年バージョンがあったんです。
再結成なんだか、お家襲名(関係者によるメンバーと違えての再結成)なんだかはわかりません、2016年にアルバムをリリースしたようで、そのPVがアップされていたのです。
(Love In Tokyo – by Honeycombs – 2016/3/11「304 Holloway Road Revisited」)
なかなかいい感じのアレンジに仕上がっているのですが....PVを見るともう滅茶苦茶。
「東京」と「上海」がゴチャマゼだし、恋人たちも明らかに中国人で日本人ではない。
こんなに日本家屋に提灯はぶらさがってねーよと、1980年にテレビドラマ「将軍 SHOGUN」にツッコミを入れた時の事を思い出しました。
しみじみ思いました。
イギリス人からみれば、相変わらずこの国は極東の一小国なんだなぁと。
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