村越咲月とカセダタカシの川崎駅前ストリート
細かい話は省略するけど、村越咲月が「今から川崎駅前でストリートやります」というので、「じゃあ俺も行く」とコバンザメのように付いて行った。
今回のストリートは宿河原のトポスで共演したカセダタカシ君とのツーマン。
いや、駅前近隣では目立つ場所にPAを設置して「オザキ」やってるお兄さんがいたから、考え方によっちゃあスリーマンとも言える。でもこちとらPAはない。
彼はPAなしのストリートは心得たもので、いい感じで声を通してくる。
オリジナルとかスピッツ「楓」とかスキマスイッチの「全力少年」とか。
オリジナルの「環情(かんじょう)」という曲が印象に残った。バンドサウンドでプレイしてスマッシュヒット食らわせそうな好曲だった。
咲月はPAなしのストリートは初めてなんだろう。PAつきの「オザキ」にかき消されそうになるのだけど、あえて対抗するということはしない。普通ならばギターを強めに弾くとか、声のボルテージを上げるとかするんだろうけど、彼女の彼女の感情の赴くままに歌っている。静かな部分は聞き取れないぐらい静かに、ボルテージ上げる部分はいつも通りガーッとやってきた。
「この子の音楽への没入具合は半端ないな」と思った。
生音に不慣れであるとか、そういうんじゃないと思った。彼女自身が街の喧騒の中で、楽曲に入り込んでしまっているんだと感じた。周囲の音から断絶された「自分と音」の世界の中にいて、そこで彼女は自分を表現していた。
「ぼくのうた」「それだけの話」「きみのうた」....
カセダ君メインボーカル、咲月コーラスで再びスピッツ「楓」。カセダ君の手慣れた感じがいい。
お次は咲月メインボーカル、カセダ君コーラスでコレサワの「たばこ」。
「たばこ」では彼女は完全に主人公になりきっていた。悲しみに歪んだ表情で「もっとちゃんと僕を見ててよ」「もっとちゃんと君を見てれば」と歌う。
僕が思い出したのは美空ひばりが「悲しい酒」を歌う時にボロボロ涙を流す。それだった。
立地もあって「オザキ」の方はかなりの人だかりだ。
こちらは人通りの少ない場所なので、ギャラリーは数人だ。
「生きている事こそ、一番切実で一番偉いことだ」と、そんな事を思った。
お互いに知り合いになるとは知らぬまま、ラゾーナの島村楽器で彼女のステージをみたのが2016年8月6日の事だ。場所は駅を挟んで真逆だけど、まる3年ぶりに川崎で彼女をみることになった。
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