史上最も長い曲

上大岡的音楽生活

発売当時、CDの最高演奏時間が74分だったのは、クラシックであるベートーヴェンの「第9」にあわせたというのは有名な話。

カラヤンはこの曲を66分前後で演奏し、フルトヴェングラーは73分で演奏した。したがって、どんな指揮者が演奏しても、74分以内におさまるだろうという読みから、この時間になったのだという。

アナログ盤の時代からCDの時代になって20年以上がたつが、このメディアの登場は、一曲の演奏時間まで、一気に伸ばしてしまった。

これはギネス・ブックにも掲載されているが、ポップミュージック史上最も長い曲は、インディーズのニューウェイブ・バンドThe WaitresessのギタリストだったChiris Butlerによる「The Devil Glitch(1997)」。

演奏時間は何と68分53秒。レコーディング時点でChrisは46歳だったのだから、「よくやるよ」と言いたい。この曲は1997年にグラミー賞の年間最優秀シングルにもノミネートされている。

CDの収録時間が80分となった今、これを越える曲がいつ出てきても不思議はないのだが、不思議とそうした労をとるミュージシャンはいないようだ。

長い曲といえば、メタル系には何やらありそうな雰囲気がプンプン漂っている。
「壮大な叙事詩」とか「最大の交響曲」なんてキャッチコピーがクラシックの次に似合うのはメタル業界しかない。

北欧メタルのGreen Carnationによる「Light Of Day, Day Of Darkness(01年)」の演奏時間は60分05秒で、これより長い曲を僕は知らない。

アンビエントハウスのOrbの「Blue Moon(92年)」は39分58秒で、一般的なシングルヒットチャートにエントリーするための規定(40分)ギリギリまで収録されている。「最長のシングル曲」といえる。

ポップ・ミュージックというよりは現代音楽の範疇だが、2001年9月5日から、ドイツのハルバーシュタットで演奏が開始された「2 Organ As Long As Possible」という曲は、演奏終了まで639年かかる予定。

現代音楽家のジョン・ケージが作曲した作品で「できるだけゆっくり」というタイトルを忠実に守った結果、このようなことになってしまっている。
公式サイトはこちら

こんな長い曲もあるぞというコメント、お待ちしてます。

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