ジェイムス・テイラー in Japan 2024 at 東京ガーデンシアター
朝起きて、オレンジジャムのトーストと一杯のコーヒーがあって、そこにこの曲が流れていたら、それだけで幸せな気分になりそうです。
「なりそうです」というのは実際にやったわけではないから。
いやそんな簡単な事ならやってみればいいわけですが、「幸せ」なんてものは無理やり作り出すものじゃなくて、そう想像するだけで楽しいものです。
そんなジェイムス・テイラーのステージはドンピシャ「Something Way Shie Moves」から始まったのでした。
「鴨がネギ背負ってきた」と言うのは失礼ですね。
「ダイヤがダイヤを背負ってきた」のが正しいです。
何しろサポートドラマーがスティーヴ・ガッドですからね。わたしゃあチケット買ってから気づきました。高一の時にテレビでみたサイモン&ガーファンクルの『セントラルパークコンサート』、ここで印象的なドラム叩いていたあの方のドラムプレイまで生で見れるのは嬉しかった。
会場は有明の東京ガーデンシアター。エベレスト並みに急斜面の会場でした。
座った席はその頂上近く(三階席の後列)でした。ギリギリにチケットを買ったのですが、驚いた事に僕の席の後ろ4列には誰も座っていなかった。つまり最後列状態だったのです。
この日は車で会場へ行ったのですが、途中でお茶を飲みすぎたようです。
事前にトイレに行ったにも関わらず、開演時間を5分過ぎたあたりになって(まだジェームスは登場しない)、またトイレに行きたくなってきました。そこでお客さんの前をかき分けるようにダッシュでトイレに。戻ってきたらちょうどジェイムスが登場したところでした。いまさら席に戻る事も難しいし、どうぜ空いているのならばと、誰もいない後列席で観る事にしました。
ジェイムスに関しては初期の5~6枚のアルバム(1st『James Taylor(1968)』から『JT (1977)』ぐらいまで)しか知らないんですが、まあいいか。
ジェイムスは豆粒みたいだったけど、これは意外とアリでした。左右に人がいないお陰で、精神をすべてサウンドに集中できるんです。ほら、我々って歌が終わると拍手するじゃないですか。これってよく考えたら拍手する必要もないわけで、余韻に浸って瞑目しているっていうのも、音楽に対峙するひとつの方法だと思うんです。
いきなり大好きな『Something Way She Moves』は反則でしょう。
ド定番の2nd Albumからは『Sweet Baby James』『Country Road』『Fire And Rain』、そして『Steamroller』では唯一エレキギターのプレイを見せてくれたんですが、原曲よりずっとブルージーでカッコよかったし、ステージでジャンプもしてくれました。76歳です!
キャロル・キングの作品は『Up On The Roof』とお約束の『You’ve Got A Friend』。
先月のロッド・スチュワートもマーヴィン・ゲイの『It Takes Two』歌っていましたが、ジェイムズはやはり『How Sweet It Is (To Be Loved By You) 』。会場みんなで合唱しました。
あと『Long Ago And Far Away』とか『Mexico』とかもプレイしてくれました。
そしてえーとえーと、まぁいいか。
ジェイムスの歌とギターは凄く丁寧で誠実な音なんです。繊細なんだけど煌びやか音でした。スティーブ・ガッドのドラムはまったりとしてグルーヴィーなんだけど隙がない感じでした。アップテンポの曲より、原曲よりさらにスローテンポになった曲の数々、これをキープし続けるってなかなか難しいと思うんですが、彼のドラムはそれをキープし続ける。ジェイムスも年齢が年齢だから歌っている途中で走ったりするんですが、スティーブのドラムはそれにしっかり合わせてくるんですよ。聞いていて凄いと思いました。
バックコーラスも実に美しかったなぁ。ジェームスの届きにくい高音部をうまくカバーして厚いものにしてくれます。そうそう、ジェイムスの奥様(カーリ・サイモンぢゃないよ)も参加していました。
アンコールの後でジェイムスが時計を見る仕草をして、もう一曲ということで2月に亡くなった小澤征爾がどーのこーのという話をして『You Can Close Your Eyes』ですよ。もう涙ものでした。
後で知ったのですが、ジェイムスの奥様は長年ボストン交響楽団で小澤さんと仕事していたそうです。
なんだかコンサート三昧(観る側)の日々ですが、来週はエルヴィス・コステロさん行ってきます。そして5月には...
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