ホワイトアウト

ぶうらぶら

新潟は豪雪ですごいことになっているね。

とりわけ中魚沼郡の津南町ではすでに積雪が4m近くという異常事態で、にわかに脚光を浴びている。
でも脚光だけじゃ、雪は溶けないんだよね。

昨年の年末、僕はその津南町に一泊滞在した。宿泊したのはニューグリーンピア津南だ。
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ここへゆくには関越自動車道の塩沢石打ICから国道353号線で峠を越えるのだが、この道が凄かった。これ以上望めないほどの完全な雪道だ。道路の両側には3m以上の積雪が積もっていて、カーブ先の対向車すら見えない。片側一車線のはずが、交互一車線となっている。仕方がないのでギアを低速にして、轍の跡を狙ってそろそろ峠を上っていった。

こういう雪道を運転をしている時って、何となく嫌な予感がしている。
「もし車を停車させたら、次の瞬間にはタイヤを雪にとられて動かないだろうな」という予感だ。

ところがよせばいいのに、そういう時に限って定期運行のバスやトラックが大きな顔をして向こうからやってくる。「ご名答!」と言わんばかりのプレゼントだ。本来ならばコチラは上りの車なんだから通してくれればいいのだが、そもそもそのスペースがほとんどない。否応なしに路肩に無理して停車せざるを得ない。相手がソロソロと僕の車の右脇を通り過ぎるのを待つしかない。

あとは予感どおりだ。再び発進しようにも僕の車のタイヤは空回りするばかり。とどのつまり、重力の法則にしたがって適当な距離をバックし、轍の跡に対して車が斜めになるようにハンドル操作、その上で「えいこらさっ」とばかりに加速して離脱するしかない。そんな停滞と離脱を3回はやったと思う。むかし間寛平ちゃんの芸に「わしゃー止まると死ぬんじゃ」というのがあったが、フトそのしようもない芸が脳裏をかすめた。
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もうひとつすさまじかったのがホワイトアウトだ。といっても路上に織田祐二が飛び出してきたわけではない。いわば「真っ白の闇」状態だ。この日は吹雪で運転席から見える視界はほぼ白一色だった。そういう風景を凝視していると人間の平衡感覚は次第に狂ってゆく。僕がまさにそうだった。車で路上を走っているわけだから、フツーは道路に対して水平状態なはずなのだが...次第に視界が横向きにグルグル回転しているような錯覚をたびたび感じた。

峠を越えると、今度は恐怖の下り坂が待っていた。急ブレーキは禁物だ。とにかくギアを低速にしてソロリソロリ降りてゆくしかない。左手はガケなのだがガードレールは雪に埋もれて正体がなかった。見通しの悪いカーブでは、対向車が来ないことを祈るしかなかった。えっ誰ですか?クラクションを鳴らしながら走れと言っているのは?右側の崖を御覧なさい。今にも雪崩を起こしそうに雪が積もってますよ....
国道358号線
そんなこんなで通常ならば1時間程度の場所なんだが、たっぷりホテルまでは1時間30分はかかったと思う。午前9時30分、クタクタになった僕は両親と姉の家族に迎えられた。朝からのバイキングで満腹な顔をしたその人たちに。

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最近知ったこと...
「ホワイトアウト」を書いた真保 裕一って、僕の高校の先輩でした。
しかもおんなじフォーク同好会だったらしい。
多分4期上じゃないかな。
ちなみにドリカムの中村正人も先輩らしいです。

ぶうらぶら