あれから6年

歴史の切れ端

この時期になると、何となく東日本大震災発生直後の「教室からのお知らせ」を読み直してしまいます。僕が経営するミューズポートボーカル教室のお知らせブログで、この「上大岡的音楽生活」と同じように13年近く書いているもうひとつのブログです。
そんな中、2011年3月15日付「教室地域の計画停電情報および対応情報 」という記事で、自分がヘンな事を書いているのに気づきました。

“夜20時すぎてから「明日の停電はこのエリアです!」ってやられると、なんだか桃太郎電鉄をプレイしている気分になってきます(苦笑)。エリア別輪番より総量規制してくれた方がどれだけ気が楽かわかりません。どのスタジオを稼動させればいいか、何を使わなければいいか計画立てれます。お願いします。でんこちゃん。"

何なんでしょう。この妙な陽気さは。

この時は緊急時の対応やら教室保全のため、休み返上で会社に詰めていたのですが、4日後ぐらいには完全な「ハイ状態」になっていたようです。また、巷では悲惨なニュースが溢れるように流れてくる。そんな中では、このぐらいテンションを上げなければどうしようもなかったのでしょう。

同じ時代の空気を吸わないとわからない感覚って、まさにこんな感覚ではないでしょうか。

我々は歴史上の出来事を現在の尺度で読んだり測ったりしてしまう。
だけど、たった6年前のこの文章、このよくわらからない陽気さに関しては、リアルタイムの空気を吸った人にしか理解し難い「何か」を含んでいると思います。

「震災から4日目ともなると、人心も落ち着き、冗談すら出るようになった」なんて後世に思われたくないよな、と。

妙に明るく振舞わなければやってられなかった自分、いや大勢の人たちに思いを馳せます。

あれから6年。

歴史の切れ端