THEATRE BROOK SESSION at 新宿Golden Egg

ライブレポ

日曜日の曇り空といったら、凄いものだった。
どんよりと低く垂れ込めた雲がこんな風に高層ビルの上部を隠している。
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2日ほど前の僕の心象風景っていうのが、まさにこれだった。自宅PCの操作ミスで過去の大半のデータが消滅の危機にさらされていたのだ。問題を回避できる目処がついたのが昨日のカラオケ前、そしてカラオケ後の数時間で問題の回避に無事成功した。

だから今日は新宿へと車を走らせた。
車を走らせる、ライブを楽しむ。この2つの行為には気分を転換させるという意味がある。
今日は.....マサトシさんがバンドのメンバーとして...むろん発表会ではない形で出演するライブという、今までちょっと考えられなかったイベントが、新宿のGolden eggで行われるからだ。

ライブハウスのマスターに電話で教えて頂いた歌舞伎町の「激安駐車場」へ行く。
コマ劇場の裏側なんだけど、なんと一日最大でも1300~1400円!新宿のド真ん中とは思えない安さだが、そこはすなわちラブ・ホテル街のど真ん中だった。まっ昼間に駐車したのだが、目の前を「明らかに女性の格好をしている男性とフツーの男性」がホテルに入っていくのを目撃した。駐車場からライブハウスまでの道すがらで2人の客引きに声をかけられた。後でライブハウスのマスターに聞いたのだけど、何でもこのあたりのラブホテルは駐車場を持つことが難しいため、みんなでお金を出し合ってこのような安い駐車場を運営しているのだそうだ。この駐車場は新宿に駐車する際にはかなり使えるのでオススメだと思ったが、野郎同士で利用したら間違いなく誤解されるであろうことは、250%保証する。

会場に着くと「第一回シアター・ブルックセッション」とある。
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せめて「BROOKERS SESSION – 1st」とかして欲しかったな、若者よ。

mixiのコミュで知り合った「THEATRE BROOK」のファン同士が企画したフリーなセッション大会だというわけだ。おそらくTHEATRE BROOKというバンドに関していえば、日本でも初の試みだったのではないだろうか?

店内に入ったところで、
「やあ宗さん!」とマサトシさんにさわやかに挨拶される。
その嬉しそうな顔といったらない。
マサトシさんにとってはカラオケにもない、唯一手に入れた2冊のバンドスコアにもない曲が、今日は沢山歌えるはずだ。しかも肝心のTHEATRE BROOKのライブ活動の休止状態はすでに1年半になろうとしている。その「腹ペコ感」を充足するイベントだけに、これがマサトシさんの音楽的なひとつにターニング・ポイントになることは間違いないからだ。
The Whoでこんなイベントがあったらならば、自分がどれだけ舞い上がってしまうかを考えれば、容易に想像できる。

13時30分、ステージが始まる。
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(参加者の方から頼まれて、ビデオ撮影をする。とりあえず簡易三脚を作って設置したものの、この後はなるべく手持ちで撮影するようにした。バラつきはあるけど、いい映像が撮影できたと思う)

マサトシさん全セッション15曲ぐらいあったのだけど、うち5曲で熱唱し、2曲でコーラス参加した。
本人は「出しゃばって、すみません」を連発していたけど、とにかく楽しそうだった。
「この曲たちが好きだ!歌いたかったんだ!」という気持ちがとても出ていた。こういうボーカルには絶対かなわない。
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それにしてもこのハコに充満する熱気は何だろう?
音楽好きが集まるだけでも盛り上がってしまうというのが土曜日の年代と世代を超えたカラオケマラソンだった。
だけど、ここにはもっともっとディープでマニアックな匂いがする。
そう、ここには「THEATRE BROOKが好き」な人しかいないのだ。こんなライブには絶対にかなうわけがない。

マサトシさんは圧倒的なステージングとボーカルで一番輝いていた。
そして、もう一人ドラムスで凄いヤツがいた。たった2曲なんだけど、貫禄のあるドラミングだった。年齢はなんと18歳、小学校5年生からドラムを独学でやり始め、今は音大の器楽科に在籍しているんだという。おそらくTHEATRE BROOKのカリスマドラマー、沼澤尚に魅かれたところからBROOKERSになったんだと思うけど、この子はきっと大物になると思う。

それと最後に演奏した「ありったけの愛(ライブ・バージョン)」は凄かった。初対面で打ち合わせほとんどなしのメンバーがあれだけ完璧に複雑なライブ・バージョンを演奏してしまったのに驚いた。マサトシさんのボーカルも本当に良かった。誰もがありったけの愛をTHEATRE BROOKに注ぎ込んでいた。あの映像だけでも欲しいところだ。

ライブハウスの出演スケジュールを見ていたら、「チッコ相馬」さんの名前があった。いつもお世話になっている佐藤とーるさんの日本での師匠だ。
そこでライブハウスのマスターに「チッコさんのお弟子さんと知り合いなんです」という話をしたら、
「ああ、佐藤とーる君でしょ」と、一発で答が出た。何でも吉野ユーヤ君も藤本真也君もたまに出演するらしい。
世の中狭いってことだ。

この後、ライブハウスを出た僕は、西新宿のブート屋で2年ほど探していた貴重なDVDを発見するわけだけど、それは後日。

ライブレポ