THEATRE BROOK ‘“Return To The Liquid”
ライブ活動を中止していたTHEATRE BROOKの2年ぶりの復活ギグ。
場所は2年前と同じLiquid Room。
1曲目は何やんのかな、なんて話をしていたら、
いきなり「ツァラツストラかく語りき序章」のカバーからはじまった。
タイジが冒頭の管楽器の「パァ~パァ~パァ~」をギターで弾く。
ギターだから「グィーン、グィーン」なわけだけど、そのあとの「ジャジャーン」の音圧が凄い。
並大抵の4ピースバンドではあの迫力は出せない。
にもかかわらずキレがある。
まるで鋼鉄の壁がぶっ倒れてきたような音だった。
そこからほぼノンストップで休憩なしの2時間40分(さらにアンコールが30分)は、
ドロドロに溶けた鋼鉄の洪水だった。
最前列の眼前で浴びせられたんだからたまったもんじゃない。
(詳しいセットリストはマサトシさんの日記を参照されたし)
これは間違いなく彼らのライブの中でもベストのギグだったと思う。
アンコールの「立ち止まって一服しよう」「まばたき」がとりわけ素晴らしかった。
彼らのバンドサウンド...とりわけライブにおけるそれが「知的(ライブでのタイジMC)」だとすれば、それは彼らが影響を受けた1970年代のファンク&ソウル・サウンドを、単にスタイルとして模倣しているのではなくて、研究し尽くしている、具現化しているという点じゃないかと思った。
それと「シアターブルックが日本で一番のロックバンド」というのもタイジのMCがあった。すべてを聞いたわけじゃないから、適当なことは言えないけど、少なくともライブバンドとして「日本一です」と言われても納得してしまうぐらいのクオリティと説得力、それがTheatreにはある。騙されたと思っていいから、一度行ってみるといい。シングル曲をメインにアルバム収録曲をその尺幅でやっておしまいという、J-POP系のよくあるライブとは全く違う世界を体験できること請け合いだ。
残念なのは、現行のCDメディアやDVDメディアに彼らのライブの魅力を100%再現できるだけのキャパがないってこと。ライブに行かなければその魅力が伝わりにくいということ。
「売れないんですよね(タイジMC)」。
どうでもいいけど今度C’darsで「ジャジャーン」の練習をしようと思った。
ディスカッション
コメント一覧
昨日はお疲れさまでした!
今回は休憩なしの20曲。すごかったですね。
2年間シアターブルックのライブを渇望していたファン。
それに対し、あふれ出すばかりの演奏で見事なほどにそれに答えた彼ら。
濃密な時間がそこにありました。
あの空間に立ち会った人たちはすごく幸運だと思います。
確かにロックバンドたるもの、伝えるべきメッセージすなわち知性を持たなければならないと私は思います。
彼らが活動を停止していたこの2年。
世界一強大な力を持つ国の大統領には黒人が選ばれ、日本でも政権交替が起こりました。
しかし、相変わらず地球の環境破壊はとどまるところをしらず、もっと何かが変わっていかなければならないと誰もが感じています。
だからこそ音楽には知性が必要なのだとタイジは言いたいのだろう。と、勝手に解釈する私です。
よろしければまたライブにお付き合いくださいませ。
しかししかし、ツァラトゥストラかく語りきをレスポールでやるとあんなにカッコいいとは!
>マサトシさん
2年間の中断という「物語」を知っているからこそ、2年前の最後のライブを知っているからこそ、よりパワーアップして戻ってきた彼らの「凄み」を感じることができたのか?いやそうではなく、あの圧倒的な音の洪水....しかも途切れることのない洪水の中にさらされれば、初めて彼らを体験したとしても、彼らの曲を一曲も知らないとしても途轍もない衝撃を受けるに違いない。そういう意味で今回のライブを見れて光栄でした。
形骸化されたライブとは全く異質のものを感じました。まあどっちが好きかと言われればどっちも好きなのですが。スタジオバンドではなくライブバンドとして突出しちゃっている、という意味では実に魅力的なバンドです。
知的ということであれば、私が尊敬するPete Townshendもまさにそういう人間なのですが、彼は政治的な発言よりも、それを怒りへの衝動に置き換えます。ステージでギターを壊し、ヘタすりゃあステージに乱入して政治発言をしたヤツにギターで殴りかかろうとしたこともあります。
どんな形でも....「大統領辞めてくれない」とストレートに歌詞でメッセージを伝えても、思考回路に食い入ってくるような演奏を展開しても、単なる様式美のサウンドでなく、影響を受けたサウンド(70’s ソウル&ファンク)に対する哲学的レベルでの探究心においても、そのどの局面においても知的であれと、タイジは言いいたかったのかもしれませんね。
アニメ好きの私が今観ているのが「デュラララ!」という深夜アニメ。
で、オープニングでいきなりかっこいい曲が流れたと思ったらtheare brookの文字が…
これってspiductionさんがライブレポしたのと同じバンドでしょうか?
>しょーちゃん
ピンポーン。
そのかっちょええ曲もこのライブでプレイしました。
生ですぞ!生っ!
おぉ、やはりそうでしたか!
確かにイマドキの売れ線とは違う骨太な音で、一度聴いたら耳に残りますね。
>しょーちゃん
そうなんですよ。ライブでのサウンドの洪水は凄いものです。
「長年活動してきたけど時代も変わったものです。」というのがTheatreの佐藤タイジのMCでした。