大島直也さん出演の「こと ~築地寿司物語~」を見てきました
「バイプレイヤー」というと、最近亡くなられた大杉漣さんが浮かんでしまいますが、お笑いの芸人さんもどうしてなかなか素晴らしいバイプレイヤーぶりを見せてくれます。
例えば映画監督の黒澤明は、シリアスな作品の中でも好んでコメディアンや喜劇役者などをよく起用しています。渡辺篤、エノケン、左卜全、南伸介、所ジョージ….
緊張感のある場面でも、彼らが登場するだけでホッとするんです。彼らの演技が作品の中で「いい間」とか「いい味」を醸し出しているんですよね。
そんなお笑い芸人のひとり……元ドロンズ….そう、電波少年で南北米大陸を横断したあのドロンズの大島直也さんが出演する演劇「こと ~築地寿司物語~」に行ってきました。
実は彼は私の中学時代の友人の弟さんになるんです。
地元では彼が子供の頃にやったある実験…..下りの坂道をノーブレーキで降り、惰性でその先にある上りの坂道をどこまで登れるか……に失敗した話は有名です。
彼は坂下にあった信号で車に激突し「本当に挑戦するヤツがいるとは....」と地域の笑いを誘ったのです。
「築地寿司物語」は、大正と昭和の時代、関東大震災と太平洋戦争という二つの出来事を通して繰り広げられるお寿司屋さんの物語です。
日本橋の魚河岸から築地への移転を経た動乱の時代、築地の片隅で喜怒哀楽を織り交ぜながら前向きに生きて行く人たちを描いています。
自分は一昨年、映画「築地ワンダーランド」を見にいったぐらいですから、これも何かの縁なんでしょうね。
主人公の水神ことを演じたのが鳳恵弥さん、10代から老女まで幅広く演じきっていました。
そして渡辺裕之さんの重厚な演技も素敵でした。あとNMB48の市川美織さんも出演していました。
そして何よりも印象に残ったのは、主人公の夫である中倉栄蔵を演じた極楽とんぼの山本圭壱さん。
全身全霊で(汗だくだくになりながら)打ち込むその演技は神がかっているんじゃないかというぐらい素晴らしいものでした。
あらためて山本さんを見直すぐらい白熱の演技だったと思います。
そして大島さん。
彼は主人公の飲んだくれの親父という役柄です。
すっとぼけた可笑しさと、一方で優しげな笑顔が素敵な大島さんの演技は、時には山本さんとコンビとなって演劇全体の骨となり、狂言回しとなっていました。そして彼の決めの一言に、観客はホロリと来たのです。登場するだけで安心する。演劇という家を支える「つっかえ棒」のような役割をこなしていたと思います。
山本さんもそうですが、お笑い芸人の演技というものが、本当にいい味になるんだなぁ~と思った瞬間でした。
笑いと涙と感動の入り混じったいいお芝居でした。
終演後に大島さんとツーショット。だけど野郎だけでは物足りないですね。
演劇を見ていて「この子、可愛いなぁ~」と思った有澤睦生(ありさわ むつき)さんにお願いして一緒に収まって頂きました。実は彼女、声優さんなんですね。
大島さんといえば、これを読んでいる友人の方々も何度かお連れしたことがあると思いますが、数年前まで恵比寿で「ちりとり鍋大島」を経営していました。
四角い大きなちりとりみたいな鍋で、甘めの味噌と野菜とお肉を煮込む鍋なんですが、その組み合わせが実に絶妙だったんです。
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