某ヴィジュアル系バンドのライブ at 都内某所

ライブレポ

いったい9月は何本ライブ行っていたんだよ?という話なんだけどとりあえず数えてみた。
9/12 C’darsとして出演(Emiさん結婚式)
9/16 喉 at 日吉NAP
9/18 ウダノリユキ&番長、保刈あかね at uda2cafe
9/19 ヌッキー&James at Little Wing
9/20 再会6/29 at 乃木坂Coredo
9/23 Theatre Brook at 恵比寿LIQUIDROOM
9/25 まつざき幸介 at 横浜教育文化センター
9/26 Kamioooka Street Jam

は、8本!……というところで隠された9本目の話をする。
都内某所で行われたビジュアル系バンド「某」のライブである。
やぶからぼうに「某」尽くしだが、何しろメンバーの素顔は不明というのがビジュアル系バンドの特徴だ。

(以下画像はすべてイメージです。「某」ではありません)

「山の上の白亜の館に飼い犬と暮らしているというイメージ?」とこのVo.君に尋ねたことがある。
「いえいえ、そんなんじゃないです(笑)、メンバーはblogで今食べているラーメンの画像とかUPしています」
親しみやすさと一定の距離感、どうもそういうものらしい。

今回は全国ツアーの最終ということで、「某」主催イベントとなった。それにhitomiセンセ、Noriちゃんセンセと行ってきた。今回は誰か誘うということをしなかったが、それは「行けるかどうか体力的に自信が」なかったからだ。

まあそんなわけで相変わらず女子高校生ぐらいのファンだらけの「殿堂=通称"V箱"」へと潜入してゆく。

「ビジュアル系」というと体験した世代によってその解釈が随分違うと思うけど、今なおとっても「熱い」ジャンルだと思う。むしろCD産業が衰退してからというもの、インディーズシーンのV系のスパーク加減は尋常ではないと思う。「アニメ」と並ぶ「メイド・イン・ジャパン」文化として、海外とりわけヨーロッパで近年とみに認知されているようだ。メタルに代表される「様式美」はヨーロッパではとりわけ人気が高いジャンルだけど、それと共通する何かに溢れた文化なのだと思う。

いわゆる「V箱」の熱気を一度体験してみるといい。かなり面白い。オールスタンディングで150は入ろうかというそのハコでは、ファンの子たちの「自分たちの●●」という所有感、連帯感、応援のパワー、というものが物凄い熱気となって立ち上っていた。きっと彼女たちはメジャーのアイドルには興味はなくて、おそらく自分だけの好きなアーチストを応援する、あるいはそれに出会うためにここに来ている。そしてそこには決して遠くはない距離感がある。そんな中では身支度もしっかりしている。靴なんか脱いでしまって、大半が裸足のままだ。中には学校の上履き姿の子もいる。動きやすい格好になってヘッドバンギングする、モッシュする。会場にいた150人が一斉に土下座してヘッドバンギングを始めた時、会場内で呆然としたのは我々3人だけだった。

そのサウンドも画一化されたものでは決してない。実に多様だ。キャッチーでポップでキュートなバンドを右軸に据えるとすれば、一番左軸はハードコアパンクの音があったりした。不思議とありそうなメタル系の音がなかった。この日は6~7バンドのギグを見たのだけど、バラエティに富んでいて、「次はどんな音なんだろう」と楽しみながら観ることができた。演奏には差はあるものの、このハコの出演者は総じてレベルが高った。

そんな中で「某」のステージ。左軸よりにいながらも、うまいこと右軸的な音をミクスチャーさせているのはいつものこと。演奏レベルもどんどん高くなっている。というか4月にこのバンドを見た時よりもひとまわり大きくなっていた。きっと全国ツアーがとてもいい経験になったのと、充電期間に相当腕を磨いたのではないかと思った。Vo.君は「お前らかかって来いよ!」「まだまだ足りねーぞ!」「そんなもんかよ!」とファンを挑発する。そんな風に挑発されたファンの連帯感も格段とUPしているのに驚いた。

ステージ終了後、楽屋へ「某」のVo.君に挨拶へ行く。男性だらけの楽屋へ入るのを躊躇しているのだろうか、なぜかhitomi、Noriご両人は入ろうとしない。なるほど会場と楽屋では全く逆の世界なんだな。そこをずんずん入ってゆくと、今日の大勢の出演者の方々に「お疲れ様でした!」と礼儀正しく挨拶される。こちらも「お疲れ様でした!」と挨拶を返した。実にいい人たちだった。

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