“Bright Side of The Road!!” Vol.2 in 下北沢251

ライブレポ

下北沢だよ、下北沢。
滅多に来ない街で、滅多にないぐらい面白い街。
そんな街に徹夜明けで死にそうな顔している喉と、Eri-naと僕がいた。

(今回のイベント用にKumuちゃんが作ったPVより)

アンティークショップに行ったらEri-Naが「ある家具の前で右腕が重くなった」という。どうも霊感の強い彼女に何かとりついたようだ。「きっと前の持ち主は自殺したんだろうね」と真顔で冷やかす。
CDショップに行けば明日発売のアジカンの「マジックディスク」が並んでいる。そして、さすがは地元だサニーデイ・サービスの希少な初期のミニアルバムが途轍もないプレミアつきで売っていた。悩んだ挙句、それは買わずに「マジックディスク」とサニーデイの10年ぶりのニューアルバム「本日は晴天なり」を購入した。ああ、言っときますがアジカンは子供たちのお気に入りであって。僕のために買ったわけじゃない(でもいいアルバムだった)。

(251のカウンターに並んだお酒、おさけ、Osake)

Eri-Naにとりついた「何か」を落とすため、サニーデイの曽我部恵一がやっている「CITY COUNTRY CITY」でお茶にする。採光も明るい白一色のお店で「何か」はおちたんじゃないかと。
Eri-Naにとりついていた「何か」が、今度はこのお店でセレクト販売しているMoby Grapeの「Wow」中古アナログ盤にとりついたかもしれないが。それは聞いてみなければわからない。

そんな音楽的な空気の中で、音楽的な気分を高めた我々はライブハウス"下北沢251″へ。「皆でメジャーをめざそうよ」的な音楽イベント"Bright Side of The Road!!”。3月の渋谷Take off 7に続く第二弾の会場はここだ。

(Eri-Na、喉、Bright Night。リハ直前の記念写真)

15時からたっぷりリハをやった後、17時30分より本番。
【Eri-Na】

つきものも一掃したEri-Naにとって、これが始めてのライブだった。3曲を歌う。高音の伸びが美しい彼女の歌声だった。緊張気味ながらもしっかりMCをして、見事にトップバッターを務めた。



続いて真逆の音楽が登場。考えてみれば"喉"としては始めて見るステージだった。面白かった。橋の歌がよかった。お客さんを巻き込む力がパワーアップしていた。後でeito君と、おばちゃんのお客さんに絶賛されていたというから、幅広い世代にアピールする"喉"になったというわけだ。もし異論を挟むヤツがいたら「先生に言ってやろう」。

【eito】

Spring Liveでも素敵な歌声を聞かせてくれたeito君も、今回は他所では初のライブだった。「全然緊張していません」とわずか19才はそう言いながら、立派なステージだった。EXILEが大好きなeito君に、ひみか姐さんが「わたし、先だってATSUSHIさんと仕事したよ」と一言。すげ~。

【さぉ】

初めて会ったのが6年前、あの時の女子高生姿が、まさかこんな風になるとはのさぉだった。自分の背丈の2倍もある巨大ギターで弾き語る。とても声が伸びやかに通るようになったと思う。考えてみればギターを教室で練習し始めたのはホンの2年前だったよね。

(本番直前に楽屋で撮影。さぉ、Bright Night、友希、eito)

【友希】

才能がもう爆発しそうで、いや爆発してギラギラしているのが目に見える。でも研ぎ澄まされたナイフでは決してない。静かに冷静にステージが進んでゆくのが今の友希ちゃんだ。MCと音楽が入り混じって強いメッセージが歌からも音楽からも伝わってきた。あっという間にオリジナルが増えて、もう「ギフト」は封印されてしまったのか?
次回は下丸子でライブ....だよね。

2 assist

ひみか姐さんの紹介。打ち込み系R&B系シンガー。Ver.W(ヅラ装着時)、Ver.R(非装着時)の2重人格だと伺っていたので、よくはわからないけど絶対怖い方だと思っていた。お話したら礼儀正しいいい方だった。もっと聞きたかったな。

和田多聞

サウンド、ボーカルスタイル、ギタープレイ、何もかもがシンプルでありながら新しい。オリジナリティがあり、日本的な美学にも満ち溢れた音楽。それが多聞さんの音楽だ。今日、こうしてまじまじとワンステージを見れたことが嬉しかった。「東京タワー」も「錫杖物語」も生で聞けたのが嬉しかった。

夏目ひみか

圧倒的なオーラだ。歴戦の勇士のオーラという感じ。会場をそれが覆ってどんどん盛り上がってゆく。その中心にひみかさんがいる。圧倒的なボーカルの力と、日本人離れしたリズム感は相変わらず凄かった。そして人を見つめる目の力。お互いの「表現者とは何か」ということに対する「想い」みたいなものが交錯したりぶつかり合う中から実現したステージだった。この日は2ステージというハードスケジュールだったにもかかわらず全力投球し、全力で楽しんでいたひみかさんだった。でも、彼女が本当にプロだと思うのはその点だけじゃない。決して楽屋に篭ることなく、ずっと後方で終始出演者を見続け、時には音楽にあわせて踊ったりしながら、応援し続けたことだと思う。お互いに出演者を尊重し、盛り上げあおうという姿勢。これが僕の身近な出演者の方々に一番見て欲しかった部分だった。

Bright Night

そして大トリは主催者であるBright Night(以下ブラナイ)。
今回で彼らのステージを見るのは3度目だったけど、過去の中でもベストと言える白熱のステージだった。彼らの追っかけを2年近くやっているファンの子が「今までで最高のステージだった」と断言しているぐらいだ。Kumuちゃんのボーカルも今までにないぐらい良く出ていた。主催者として、他の出演者に負けてなるものかという強い意志が、前回とは違ってはっきり感じることができた。そんな勢いからか、ついにはバスドラのペダルまで折れてしまうぐらいだった。

演奏力だけを見てしまえば、まだ若さでつっ走っているバンドだ。だけどそれを凌駕するぐらいの強い気迫や力強いサウンドをバンドとして投げてきたことが涙が出るぐらい嬉しかった。確かに主催者であろうとなかろうと、共演に刺激されようとされまいと、常に気迫のあるステージを見せることは大事かもしれない。だけど今回のステージでブラナイは自分たちにそういう力があることを、何よりも気づいたんじゃないだろうか。次のブラナイもその次のブラナイも見てみたいと思ったし、とても若いバンドだからグングン成長してゆくだろう。それを見てゆくのを楽しみにしたいと思った。それと「イースタン」いい曲だよ。

(打ち上げの乾杯!)

今回のイベント実現にあたっては、Kumuちゃんは本当に眠れないぐらい苦労していた。その苦労を考えると同じようにイベントを主催するものとしてゾッとするぐらいだった。マジでゾッとした。若いってことは無謀だけどそれをやろうとしていることを凄いとも思った。
結果として、事務所リアルアーツのスタッフの方が「こんないいライブイベントを見せてもらっては....」とおっしゃる位、充実した内容のイベントが実現した。

主催のKumuちゃんほか、Bright Nightの皆さん本当にお疲れ様でした!
出演してくださった皆さん、感動をありがとう。
そして下北沢251、リアルアーツさん、本当にお疲れ様でした。

ライブレポ